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INTERVIEW

HALESTORM

2015.04.13UPDATE

2015年04月号掲載

HALESTORM

Member:Lzzy Hale(Vo/Gt)

Interviewer:米沢 彰

-3枚目となるニュー・アルバム『Into The Wild Life』の完成おめでとうございます。リリースを目前に控えた今の率直な感想を教えてください。

もう、本当に楽しみよ。何枚出しても同じ気持ちね。早く聴いてもらいたい!ってすごくウズウズするの。今回も、自信はもちろんあるけど、どんな反応が来るかなってちょっと不安な部分もあるわ。今までとは随分違うやり方で作ったからね。今回はベーシック・トラックを全部生録音したのよ。4人で輪になってね。だから私たちがいっぱい詰まったアルバムね(笑)。生録音だったから、どの曲もライヴに見立てて演奏しているの。最初から最後まで、どこを切っても私たちって感じよ。自分たちがものすごく出ているアルバムだから、みんながどう思うかワクワクでもあり不安でもあるのよ(笑)。

-たしかに、YouTubeに上がっている曲だけを聴いても、ライヴを実際に観ているような錯覚に陥るところがありますね。ところで前作『The Strange Case Of...』をリリースした際は、シングル曲「Love Bites (So Do I)」でグラミー賞のBest Hard Rock/Metal Performance部門を受賞するなど大きな話題を集めたあなた方ですが、今回のリリースに対する周囲の期待はかなり高いのではないですか?また、自分たちの心構えが違ったりはしましたか。

うーん、グラミー賞を受賞したことについてはあまり意識しなかったわね。私たちってヘンなバンドだから(笑)。私たちは、友達として経験している小さな物事で成功を測るタイプなのよ。商業的成功はともかく、自分たちがワクワクするものを追いかけてね。でもたしかにアルバムを出すたびに、私たちは成長し続けているわ。それで気づいたんだけど、自分たちがワクワクできて、アルバムに入っている曲を1曲残らず愛することができたら、オーディエンスもワクワクしてくれるものなんだなって。だからまずは私たち4人ありきなのよ。生活の90%は一緒にいるしね(笑)!自分たちが自分たちの作ったものを絶対的に愛することができなかったら、他の人をワクワクさせることなんてできないわ。私たちがどうかできることじゃないもの。今回のアルバムでの私たちのメンタリティは、ちょっといろいろ変化させてみようかってところにあったわ。今まではずっと同じプロデューサーで、同じメンタリティで、同じチームで、同じメソッドで作っていた。それについて、ものすごく誇りに思っていることは信じて欲しいの。でも、今までは流れ作業的な作り方をしていたのよね。完璧主義が根本にあったから。当時はそれで良かったのよ。自分たちでビシバシ、ケツを引っぱたいて、完璧なものを作ろうって駆り立てることができたから。でも、制作段階で一緒に丸々1曲をプレイしたことなんてなかった。スタジオではみんな一緒にいたけど、弟(Arejay Hale)が2日間録音ブースに入ってドラムスを全部録って、次の週は私がギターを全部録って、という感じだったの。それからベースを録って、最後に私の歌、みたいな。そうやって曲を"組み立てていく"感じだったのよ。でも今回の『Into The Wild Life』ではみんな一緒に輪になって演奏したのよ。ナッシュヴィルの素敵な教会の、同じ部屋でね。

-教会ですか。

そうなの。素敵だったわ。......それで、最初から最後まで録音しながら演奏したのよ。私の息継ぎの音から、ちっちゃな可愛いミス、テンポを変えてみたりしたところなんかも入っているの。みんなで同じ波に乗ろうとしたのよ。おかげでみんなぐっと距離が縮まって、とても楽しかったわ。

-今回はプロデューサーが違うのですよね。決してハードロック系の人ではなさそうですが、どういった経緯で彼と組むことになったのでしょうか。

今回は、ライヴとアルバムのギャップを埋めようと決めたのよ。ふたつを一体化しようと思ってね。ライヴ・アルバムを作るという訳じゃないけど、人間味のあるものにしたかったの。となると前のプロデューサーとは組めないというのは確信したけど、じゃあ誰と組めばいいのかって話になって、ここでまた冒険心が頭をもたげてきたのよ(笑)。"じゃあ、極めて非オーソドックスな人と組もう。私たちが組むとは誰も思いもよらないような人と組もう"って。それでいろんな人と話をしたわ。そうしたら、Jay Joyceが実はロック男だってことが分かってね。ナッシュヴィルに住んでいるからナッシュヴィル的なもので生計の大半を立てているし、実際カントリーでは知られた存在だけど、CAGE THE ELEPHANTとか、オルタナティヴも手がけている人なの。ロック界では知る人ぞ知る存在だから、みんな"えっ!?"ってびっくりしていたわ(笑)。でもラッキーなことにうちのレコード・レーベルはとても冒険的だから、もろ手を挙げて賛成してくれたわ。"いいアイディアじゃないか。ぜひやりなさい"ってね。ものすごく自由な時間だったわ。Jay Joyceという男は、とんでもない天才なのよ。......何て説明すればいいのか分からないけど、とにかく才能に溢れていてね。でも曲をグチャグチャにしたりメチャメチャにしたりする術を心得ているの。あらゆるルールを忘れさせてくれる言葉をさらっと言ってのけるのよね。スタジオでも"ルールは破られるためにあるんだ"なんて言ってたわ。今までアルバム2枚分も完璧を追いかけてきて、音楽理論やアレンジのいろんなルールを守ってきた私たちに対して、Jay Joyceは"うーん、そういうものでもないんじゃない?"なんて言うのよ。"リズムに合わせなくたっていい。クリエイティヴなフィーリングが大事なんだ。クリエイティヴな瞬間が必要なんだ"って言ってね。私が本能の赴くままにするための背中を押してくれた感じ。ギターも歌もね。すごい経験だったわ。さっきも言ったけど、録音は教会でやったの。Jay Joyceが教会を買ったのよ!教会の建物を買って、スタジオに作り替えたの。