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INTERVIEW

HALESTORM

2019.04.15UPDATE

HALESTORM

Member:Lzzy Hale(Vo/Gt) Arejay Hale(Dr)

Interviewer:菅谷 透

3月21日に行われた"Download Festival"の日本版"DOWNLOAD JAPAN 2019"に出演するため久しぶりの来日を果たした、ペンシルバニア出身の4人組ロック・バンド、HALESTORM。圧巻のパフォーマンスを披露したその前日に、激ロックはバンドの中枢を担うHale姉弟へインタビューを敢行。初来日の思い出や、2018年にリリースされた最新アルバム『Vicious』に至るまで、ざっくばらんに語ってもらった。日本盤のボーナス・トラック「Tokyo」に込められた想いとは?

-2015年12月に行われた単独公演以来の来日になると思いますが、久しぶりの日本はいかがですか?

Lzzy:日本に来るたびに、バンドの認知度が上がっているのを体感できるわ。前回よりもさらに大勢の人が観に来てくれて、バンドを知ってくれているから、"前に進んでいる"という気がしてくるの。

Arejay:今回はフェスへの出演だけど、そこで大勢の人々に観てもらうことができれば、この先のヘッドライナーでの来日や、さらに大きな会場でのライヴみたいな結果に繋がっていくと思うから、いいことだよね。

-日本には昨日(※3月19日)の夕方に到着したようですが、どこかに出掛ける時間はありましたか?

Lzzy:まず、ホテルに着いたらたくさんのファンが待っていてくれて、私たちですらどこへ行くか知らなかったから、どうしてファンの人は知っているんだろうと思ったわ(笑)。それから少しホテルの周りを散歩して、ラーメンを食べたの。そのあとロック・バーに行ってドリンクを注文したんだけど、私たちがみんなレザーを着ていたから、周りの人たちから"ミュージシャンですか?"、"「DOWNLOAD JAPAN」に出るんですか?"と質問されたのよ。それで"YES"と返したら"なんというバンドですか?"と聞かれて、"HALESTORMよ"と答えたら周りが"えーっ!?"って、もう大騒ぎになってしまって(笑)。お店のオーナーまで出てきて、壁にサインを求められたり、ケーキをご馳走になったりと、楽しい時間を過ごしたの。ホテルに戻ってからはすぐに寝たわ(笑)。

-それはすごい話ですね。そういえば、SNSでファンの方がおすすめのラーメン屋を紹介していたのを見ましたが、そちらに行かれたんでしょうか?

Lzzy:昨晩そのお店に行ってみたんだけど、空いてなかったの。だからほかのお店に行ったわ。

Arejay:なんてお店だっけ......"イクラン"?

-"一蘭"ですね! 人気のお店です。

Lzzy:食にも興味があって、他の国を訪れたときもファンにおすすめされたお店に行くのが好きなの。アメリカにも日本食を出すお店はあるけど、本場のものとは全然違うね。

-今回は初開催となる"Download Festival"の日本版"DOWNLOAD JAPAN 2019"へ出演します。HALESTORMは本国イギリスの"Download Festival"にも何度か出演していますが、思い入れはありますか?

Lzzy:イギリスだけじゃなく、この前(※2019年3月9日、11日)に行われた"Download Festival Australia"にも出演してきて、それも素晴らしかった。でも、日本で初めて開催される"Download Festival"に出られるなんて、すごく光栄なことだわ。日本はロックが文化として根づいている国だと思うし、ライヴできることがとても嬉しい。それに、才能があるバンドはたくさんいるけど、その中には一度も日本に行くことができていないバンドも大勢いる。こうやって何回も日本に呼んでもらえて、大きなフェスにも出演できるのは本当にありがたいことだわ。私とArejayにとって、日本に行くのは子供のころからの大きな夢だったから、それが何度も叶えられて幸せよ。

-日本でもメタル・フェスの"LOUD PARK"に出演していますが、オーディエンスやバックヤードなど、海外と違いを感じる部分はありますか?

Arejay:たくさんあるね(笑)。

Lzzy:初めて日本に来て"LOUD PARK"に出演したときは、オーディエンスの礼儀正しさを感じたわ。ステージ転換のときに酔っ払って騒いでる人たちがいなくて、みんな静かに待っていたの。

Arejay:アメリカや他の国だと、転換ではPAがBGMを流して、観客はバーに行って酒を飲みながら喋ったり騒いだりするんだけど、日本ではびっくりするくらい静かで、誰もがステージをじっと見てバンドを待っているんだよ。面白いよね。

Lzzy:初めてのアクトでは、本番の2分前になっても静かだったから"いったいどうなってるの!?"って話をしたのを覚えてるわ。

Arejay:そのときは11時という早い時間の出番だったから、もしかしたらフロアには誰もいないかもしれないし、いたとしても数百人くらいがいいとこだろうなって考えてたんだ。だって楽屋にいる間は何も聞こえないんだから(笑)。 なのにいざステージに出てみたら、フロアには1万人くらい集まっていて、"みんないったいどこから来たんだ!?"と思ったよ(笑)。

Lzzy:何よりも素晴らしいのは、私たちが最初の音を鳴らした途端に全員が一斉に盛り上がることだわ。しかも母国語じゃないのに、英語の歌詞を覚えてシンガロングまでしてくれて。音楽は万国共通で、性別も人種も関係ないというのをそのとき実感したわ。そのときの経験があったから、(2015年に行われた)単独ツアーでまた日本に来たときは、単に観客に向けて話すだけじゃなく、言葉が通じなくてもわかるように"ナナナ~♪"とメロディを歌い掛けたの。アメリカに戻るたびに、日本の熱気を持って帰って"みんな、向こうではこうやって盛り上がってるの! これが本当のロックよ!"って言って回りたいくらい(笑)。

-(笑)"DOWNLOAD JAPAN"で共演が楽しみなアーティストはいますか?

Arejay:GHOSTは興味深いね。

Lzzy:彼らとは友達だから、会うのが楽しみね。それと、私たちはいつもツアーを回っているから、こういうフェスでもないと新しいバンドを知ることができないの。なるべくいろいろなバンドを観たいわ。

Arejay:日本のバンドを観るのも楽しみだよ。

-なるほど、ありがとうございます。続いて最新アルバム『Vicious』についてもうかがいます。リリースから半年以上が経ちましたが、反響はいかがでしたか?

Lzzy:おかげさまで、驚くほどいい反応をもらえたわ。実は、かなり制作が大変なアルバムだったの。最初にかなりの数の曲を今作のために書いたんだけど、すべてボツにしてしまったのよ。というのも、今まで作ってきた曲の二番煎じみたいになってるものが多かったから"これでは駄目だ"と感じて。バンド自身もエキサイトできるような曲を作るべきだし、私たちは嘘が下手だから(笑)、好きじゃない曲を気に入っているかのように思い込んでもうまくいかないと思ったの。それでイチからやり直すことにして、プロデューサーのNick Raskulineczと一緒に毎日スタジオに入った。ギター・リフからドラム・グルーヴ、些細なアイディアに至るまでなんでも意見を出し合って、みんなで作っていったの。そういった作り方をしたのは今回が初めてだから、周りのスタッフはうまくいくかどうかとても心配していたみたい。完成まで時間をかけたし、レーベルだろうとマネージャーだろうと、できあがるまで誰にも作品を一切聴かせなかったから、それも悩みの種だったようね。実際にリリースされたらすごく反響があったから、みんな本当にほっとしたわ。もうひとつこのアルバムで特徴的なのは、自分の心に忠実な歌詞を書いているの。これも勇気のいることだった。リスナーは気に入ってくれるかもしれないし、嫌うかもしれないけど、そのどちらも私のことなの。だから正直に書くことにしたんだけど、それがうまくいって嬉しいわ。

-アルバムの日本盤ボーナス・トラックには、日本への想いを歌ったという「Tokyo」が収録されていますね。この曲について詳しく教えていただけますか?

Arejay:(※指を差しながら)君たちみんなのための曲だよ(笑)!

Lzzy:アルバムをリリースしたら、日本盤のボーナス・トラックを要求されるじゃない。普通はBサイドの曲やアルバムから漏れた曲を入れることが多いけど、日本のみんなは今までずっと私たちに愛情を注いでくれたわけだから、そのお返しとリスペクトの証として、日本のファンのためだけに特別に書いた曲を収録したいと思って「Tokyo」を作ったの。この曲はまさに自伝と言うべき内容の歌詞で、10代でバンドを始めたころからずっと東京に行きたいと思っていた私たちが、いろいろな困難を乗り越え、ついに憧れの場所に辿り着くまでの旅を描いているの――この話をしているだけで思わず感傷的になってしまうわ......。

Arejay:今のところ、日本がアジアで唯一訪れたことのある国なんだ。俺たちと日本、特に東京はきっと特別な関係にあるね。日本は文化においても物理的な距離においても故郷から一番離れた国だけど、その国でこんなに受け入れられるとは思いもしなかったし、本当にすごいことだよ。音楽には言葉や文化の壁なんて関係ないね。

-まさにそのとおりですね! では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

Lzzy&Arejay:(※日本語で)ドウモアリガトウ!

Lzzy:さっきも言ったけど、私たち姉弟がバンドを始めたころの夢はいつか東京に行くことだったの。それがこうやって実際に来ることができて、しかも1回だけじゃなく何度も来るように言ってもらえるなんて、まさに夢が叶ったわ!

Arejay:みんなが来てほしいと思ってくれる限り、何度でも行き続けるよ! そしたらもううんざりって思ってしまうかな(笑)。そうならないことを願うよ(笑)!

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