－では、先にゴールがあったんですね。

享平：まさにそうですね。延びたりはしましたけど、最終的には1年では終わらない大きなプロジェクトになりました。メンバー皆で、お金のこととから話し合って、ある程度ビジョンも立てていましたが、概ねその想定通りに動けましたね。

－今年公開された「For Myself」のミュージック・ビデオは特徴的でしたが、ビジュアル面でのHEXVOIDのコンセプトやポリシーを教えていただけますか？

ERC：ありそうで、なさそうで、あるね（笑）。

享平：全体的にうさんくさくて、危ない感じは出せてるね。

ERC：実際カルトっぽいですよね。とっつきにくいけどちょっと見てみたいとか、怖いけどちょっとかっこいいとか、そういうイメージを出しつつ、あとはもう僕が完全にAKIRAとかサイバー・パンクの世界とかがすごい好きなので、そういうのに持っていこうとはしてますけど、バンドとして目指しているわけではないです（笑）。

一：とりあえず、驚かしてやろう感はありますね。MVにしても、ライヴにしても。インパクトを与えたいって思いますね。

－今の"カルト"っぽいっていうのがすごく腑に落ちました。ライヴを見ててお客さんも楽しみつつ心酔している感じもあるなと思ったんですよね。

一：自分たちの出してる世界観に入って楽しめる人たちがお客さんとして来てくれてると思います。

ERC：結局エンターテイメントなんで、会場でアガってくれたらいいと思っていますね。"アートだぜ"っていう感じでやっているバンドもいますけど、バンドの初期の頃から根っこにはエンターテイメントの意識がありますね。

－Track.1「（hollow）」はSLIPKNOTの1stアルバムの最初のトラック「742617000027」を髣髴とさせる"雰囲気"のあるトラックですね。

一：あれはERCが宇宙に憧れて作ったんだよね。

ERC：ちょうど、映画"プロメテウス"のCMがテレビでやっていた時期なんですよね（笑）。プロメテウスのSEが"超かっけえ！"って思って、そういう感じのが作りたいなって思って......。"なんか始まる"って思わせるような音って自分たちが好きなバンドとかでもあるし、1曲目を聴いてどんどん気持ちが盛り上がって2曲目でスイッチが入る瞬間を大切にしたいので。そういう瞬間って1回しかないと思う。その1番最初の瞬間を作ってあげたかったんですよね。

－続くTrack.2「Discharge」は上手く間を持ったギター・リフが印象的ですよね。

一：あのリフは、大元は僕が1番ヘヴィな部分を作って持ってったんですけど、有名な外タレのリフとまったく一緒だったことに後で自分で気付いて（笑）。だから、この曲は捨てようって言ってたんですが、Kyoheyが"作り変えてきたから！"って言って全く違うものにして持ってきてくれて......。

ERC：早いうちからこれが1曲目だろうなっていうのはあったよね。

－曲順のイメージは制作期間中に固まっていった感じですか？

一：最初のド頭である程度は決まってて、最終的には違うってなったりはしましたけどね。

－そういうやり方って珍しいですよね。バーっと曲を作って、曲順を考えていくのが良く聞く流れかなと思います。

享平：頭固いからかな（笑）。

一同：（笑）