INTERVIEW
DRADNATS
2014.03.07UPDATE
2014年03月号掲載
Member:キクオ (Vo/Gt) ヤマケン (Ba/Cho) トノ (Dr/Cho)
Interviewer:吉羽 さおり
-身の丈になったということですよね。今だから歌える歌であるし、今だからプレイできる曲だし、今だから作れる作品である。
キクオ:うん、そうですね。
ヤマケン:諦めなければ夢叶うよってお前らに言われてもなんとも思わねえんだけどって言われた時は、ほんとに悔しかった。マジだ、って。そうだわみたいな。何にも叶えてないわって。あれはほんと悔しかったんですよね。自分の夢とか目標をやり遂げた人間にそれを言われたのが初めてだったので。それはマジで悔しかったです。いつか見てろよって思いました。
キクオ:ね(笑)。だって、売れたいんでしょ?って。
ヤマケン:だったら売れたいって言えばいいじゃん、ってね。
キクオ:それ書けばいいじゃんってね(笑)。スタジオ中って、ロビーでいろんな話をする時間も多くて。そこで健さんからいろいろ問題提起とか、生き方とか考え方とか、ロックをやる上でどう思ってるのとか、みんなの中でパンクって何?っていう質問をふっと投げかけられたとき、しっかり考えたことないなって。なんとなく持っていたつもりだったんですけど、それを言葉で説明するのは、日ごろ意識しないとできないことだし。ポイント、ポイントでいろいろ考えさせられる時間も多くて。健さんに言われて、自分の中で吸収をして思ったこと、発信したいこととかが増えたのも良かった。だから、13曲書けたのかな。
-バンドを始めたときって、楽しいからとかかっこいいからとか、憧れから入ると思うんですね。その後って、いろんな人との関わりの中で新たな気持ちや意識が芽生えてもいくと思うんです。今なぜこれをやっているのか、とか。そういうことでの変化は、これまでにも何度かあった感じですか。
ヤマケン:うーん。明らかに違うのは、意外とバンドってうまくいかないんだなと思ってましたね、ずっと。結成したときの感じでいくと、今頃は割と欲しい車も買えてたし、きれいな奥さんもいただろうし、そういうことになってるんですけど。全くなってないので(笑)。意外とうまくいかねえなと。でも、それで辞めなかったのは、目標を持ち続けられるくらい――とにかく頭が悪いんですよね、この3人は。よかったら、とっくに辞めてると思うんですよ、バンドなんて。音楽性も売れるものに変えていると思う。でもそれを変えなかったのは、メロディック・パンクが好きっていうよりも、バカだったのかなって思うんですよね(笑)。
-好き、楽しいっていうまま進んできた(笑)。
ヤマケン:これしかできないっていうとミュージシャンとしてはちょっと寂しいので、あまり言いたくないんですけど。でも結果的にこれしかできなかったみたいな。メロディック・パンクが好きで始めて、聴くだけだったものをやる側になって、それもすげえ楽しくて。でも楽しいだけじゃないことに気づいて、でも折れないで続けて今スタート・ラインに立てて。意外と今は、結成したときと同じ感覚に戻ってるような気がします。俺たちだったらいけるっていう。でも、結成したときと明らかに違うのは、経験があってそうなったっていうところで。