INTERVIEW
SIMPLE PLAN
2014.02.10UPDATE
2014年02月号掲載
Member:Pierre Bouvier(Vo)
Interviewer:山本 真由
-ドラマティックなアレンジの「In」、アコースティックの「Lucky One」、正統派なポップ・パンクの「Ordinary Life」、ダンサブルな「Outta My System」など多彩な楽曲が揃っていますが、今作もPierreとChuckが中心となって作曲したのですか?
そうだよ。
-2008年リリースのセルフ・タイトルと比べると、『Get Your Heart On!』と今作は非常に自然体で明るいサウンドになっているように感じました。多くの楽曲を生み出すことが出来たという意味でも、ナチュラルにアウトプットできる時期だったということでしょうか?
そうだね。セルフ・タイトルの頃は、クエスチョン・マークが身の回りに渦巻いていた時期だったんだ。どうしてかは分からないけど。その前の2作で成功を収めたからかな。大きな成功を収めたバンドにはよくあることかもしれないけど、自問することが増えたんだ。それまで通りにやっていこうか、それとも変えてみようか......。別に自分たちがすごいと言う訳ではないけど、息の長い素晴らしいバンドというのは大抵、"あれ?これは何だ?"と思わせるアルバムがあるよね。バンドがそういうものを作る余地があるというのは、素晴らしいことだと思うんだ。俺たちの場合は、セルフ・タイトルで何か違うものをやってみて、自分たちにチャレンジを課そうと思った。ちょっとヘンなことをやってみる自由を与えたんだ(笑)。で、あのアルバムが終わってからは、その前にやっていたことに立ち戻る意欲でいっぱいだった。セルフ・タイトルと全く違うアルバムという訳ではなかったし、違いは微々たるものだけどね。でも君も気づいたように、もっと明るく、ハッピーでエネルギッシュなムードになったというか。結局のところ、俺たちのバンドはそれが要だからね。ライヴでやって楽しい、元気な曲をやるのが俺たちだから。みんなの心が1つになって、一緒に楽しめるような曲をね。俺たちのサウンドに一貫しているのはそれだと思う。「In」みたいにドラマティックな曲をやる自由もありつつ、いわゆるポップ・パンクの方向性は一貫しているんだ。俺たちの成長過程の一部だったし、俺たちの好きなもの、いつまでも取り組んでいたいものだから、その要素はずっと俺たちのサウンドの一部であり続けると思うよ。
-今回の日本盤ボーナス・トラックとして、ライヴ・ヴァージョンが2曲収録されていますが、「Astronaut」と「Loser Of The Year」を選んだ訳は?
あれはバンドのみんなで、俺たちにとって大切な曲を選んだんだ。面白いのが、正反対の曲だってことだね。「Loser Of The Year」はストレートなポップ・パンクで、さっきの話にもあったように明るい曲。「Astronaut」はもっと複雑で、内省的で......。そういう相反する面の両方を見せたいと思ったんだ。それから、『Get Your Heart On!』の中でも重要な2曲だっていうのもあったね。みんなと通じ合うことができた曲だったし。特に「Astronaut」は俺たちの曲の中でも存在が大きくなっていてね。今じゃファンが自分たちのことを"Astronauts"って呼ぶんだよ。彼らをよく体現しているらしいんだ。そんな訳で、俺たちのパーソナリティの重要な部分を打ち出すことが大事だと思ったんだ。
-この2曲はライヴでもハイライトなのでしょうか。
勿論。ショウの中でも印象的な場面だったね。全く違った形で。アルバムのスピリットでもあると思うよ。
-昨年、日本ではONE OK ROCKのTakaとの共演も話題となりましたが、前作収録の「Jet Lag」は、Marie-Maiが参加したフランス語ヴァージョンと、Kelly Chaが参加した中国語ヴァージョン、英語ですがKOTAKが参加したインドネシア・ヴァージョンも制作されましたね。このようなインターナショナルな展開は、今後も予定されていますか?
これからもやっていきたいね。ファン層を広げて、自分たちだけじゃ届かなかったタイプの人たちに自分たちの音楽を聴いてもらえる、素晴らしいチャンスだと思うから。世の中にはあまりにもたくさんのバンドがあってあまりにも色んなことが起こっているから、そんな中でブレイクするのは難しい。でもこういう形で、普段ならカヴァーできないようなところの人たちに俺たちの音を聴いてもらえれば、素晴らしいことだと思うんだ。勿論プロモーション方法の一環でもあるけど、曲に新たなひねりを加える方法でもあるんだ。特にフランス語ヴァージョンはいいよね。俺たちが話す言葉でもあるし。でも、他の言語もみんな興味深いよ。自分の作ったアートに違う視点を与えてくれる。自分が作ったものでも、他の人がひねりを与えてくれるからね。例えばTakaとやった曲では、彼が自分らしい味付けをしてくれた。ソングライターとしても、自分の書いた曲を他の人が違う形に解釈してくれるのは興味深かったよ。これからもこういうコラボは続けていこうと思っているよ。
-他の日本人アーティストなんてどうでしょう。もしくはもう一度Takaと。
先のことは分からないけど、どちらも可能性としてはありだと思うよ。Takaとのコラボも楽しかったし、一連のコラボは何1つ後悔していないんだ。