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INTERVIEW

DAUGHTRY

2013.12.11UPDATE

2013年12月号掲載

DAUGHTRY

Member:Chris Daughtry (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-サウンドにおいて世間の主流や流行を意識した部分はありますか?

まあ、そういう主流や流行の世界で定評のあるプロデューサーたちと組んでみたということで、結果として少なからずそういう要素が現れているというのはあるだろうね。今旬のポップ・アクトを色々プロデュースしている人たちだから。そういう要素の多くは俺ひとりだったらそんなに馴染みがなくて使わなかったものだけど、できあがった音を聴いてみたらとてもワクワクして、こんな風になるのかと感激したんだ。歌うのも楽しいし、自分が曲を書いていたときに想像していたのとは違う音になるというのは面白いよ。

-意識というよりも、自然にそうなったということでしょうか。

そうだね。強制されたものでは全くなかったし。だからこそ楽しくエキサイティングなものになったと思う。頭をひねって作ったものではなく、自然に出来上がったものだから。......新しいものといえば、軽いノリの歌詞を歌えるんだ、と思ったね。そういう曲を書くのは今までちゃんとやったことがなかったから、自分の中のそういう部分に踏み込んで、人を笑わせる歌詞を書いてもいいんだ、と思えるようになったのは大きいよ。シリアスな曲だけじゃなくてね。

-具体的にはどの曲のことでしょうか。

例えば「Long Live Rock & Roll」だったら、VAN HALENとVAN HAGAR(※ヴォーカルがSammy Hagar時代のVAN HALENのこと)なんて奇妙なフレーズが出てくるし、「Waiting For Superman」にもコイン・ランドリーでマントを洗っているスーパーマンが出てくるだろう(笑)?

-確かにありますね。安物雑貨店で人助けをしていますし(笑)。今作はよりヴォーカルが重要なポイントになるとも思いましたが、いかがでしょうか?

確かに、ヴォーカルには力を入れたね。今までとは違った歌い方に委ねられた曲もあった。もっと巧く歌うことを要求されたような気がする。今回ほど(スタジオの)ブースの中で歌いながらインスピレーションを得たことはないよ。とにかく楽しかった。

-今回のアルバムを聴いて、わたし個人としてはやはり美しい曲を作るバンドだなと改めて感じたところがありましたが、こちらの解釈に関してはどう思われますか?

歌詞的にはとてもリアルなところからきているんだ。友人、家族、敵(笑)......そのリアル感が音楽にも伝わっているんじゃないかな。みんなが真実を感じ取ってくれるようなものになっていると思う。それから、「Wild Heart」みたいな曲はとにかく楽器編成が美しいね。ヴォーカルを入れる前から人の心を捉える何かがあると思う。Martin Johnsonがとてもいい仕事をしてくれたよ。耳に残る曲だからね。

-BOYS LIKE GIRLSのMartin Johnson(Taylor Swift、Jason Derulo)やSam Hollander(Katy Perry、ONE DIRECTIONなど)らを迎えて制作されたとのことですが、彼らと一緒に仕事をすることになった経緯と理由は?

彼らの実績が関係ないと言ったら嘘になるね。彼らの作品の音を聴いて、ぜひ一緒にやりたいと思ったんだ。今回は色んな人とやってみて、自分自身ちょっと変化をつけてみたくてね。Claude Kellyとはずっと前から一緒にやりたいと思っていた。......彼らの今までの実績から一緒にやりたいと思ったけど、まずは会ってみて、馬が合うか様子を見たいと思ったんだ。そうしたらあっという間に意気投合して、次々と曲が出来上がっていった。だから最初はうまくいくかどうか分からないなという気持ちでやってみたんだ。うまく行かなかったら他の人たちとやるか、みたいな感じで。それが思いのほかうまくいった。

-全体の作業が非常にスムーズだったことが想像できますね。具体的にMartinとSamとはどんな仕事をしたのでしょうか?

 

実は、Sam Hollanderとのソングライティング・セッションをしに行ったらそこにMartinがいたんだ。彼らは結構一緒にやっているからね。当時の俺はMartinのことはあまり知らなかった。名前は知っていたけど、BOYS LIKE GIRLSと繋げて考えたことがなかったんだ(笑)。初めてのソングライティング・セッションで「Long Live Rock & Roll」を書いたことで意気投合して、どんどん曲を書いていって、結果的には一緒に書いた曲が全部アルバムに入ることになったんだ。

-ということはMartinとSamに別々にアプローチしたというよりは、Samのところに行ったら偶然Martinも居たので両方と組むことにした?

レーベルとは、今回組みたい人のリストを一緒に作っていたんだ。SamのTrainとの仕事については知っていた。Samと会ったのは、そのリストから誰が組んでくれそうかというのを見極めているクレイジーな時期の真っ最中だったんだ。俺がLAにいる間にね。この人はダメだったから次を当たってみよう、みたいにやっていた。今回の場合は一石二鳥という感じだったね。レーベル側からもMartinと一度やってみてはなんて提案されていたけど、Samと作業する日にMartinにも会えたのは全くの偶然だったんだ。