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INTERVIEW

TWENTY ONE PILOTS

2012.12.10UPDATE

2012年12月号掲載

TWENTY ONE PILOTS

Member:Tyler Joseph (Vo/Piano)

Interviewer:ムラオカ

-前回のインタビューにて、EPはあなたがたにとって1stアルバムが出る前の、あなたたちの名刺代わりのような作品と捉えていいのでしょうか?とお聞きしたところ、あなたは"ラーメンをすするときの最初の"ずる"って感じかな(笑)?"と例えていましたが、今回のフル・アルバムを同じように何かに例えていただけますか?

そうだね。僕は常に曲を作っている。このアルバムの中の曲は僕たちの将来に繋がると思っている。実はもう次の作品の曲も書いているよ。常に書いていたいんだ。でもこのアルバムは僕たちの基礎、土台になって欲しいと思うくらい重要なんだ。自分の頭の中にまだたくさん曲があるから、これからもみんなが興味を持って聴いてくれるためにも、このアルバムに成功して欲しいんだ。僕たちを紹介するもので、これから末永い音楽のキャリアの始まりになればと思っている。

-7月からすでに今作のタイトルが"Vessel"(うつわや巨大な船の意味)に決まっていたようですが、このタイトルを命名した理由を教えていただけますか?

ジャケット・カバーに老人が2人映っているんだけど、僕とJoshのおじいちゃんにモデルになってもらったんだ(笑)。ある意味彼らが僕たちの歴史に書かせない人物だからオマージュでもあり、同時に"Vessel"は精神、曲、命を運ぶものだと思っている。人はいつか年を取る。でも音楽に関してはJoshと2人で創り、その"Vessel"に運んでもらいたいんだ。人にインパクトを与えるものになるようにね。

-今作をレコーディングした時期はデジタルEPと同時期でしょうか?

そうなんだ。すべて同じ時期にレコーディングした。でも先に数曲リリースしてから、ちょっとかじってもらって、次のフルレングスに期待した欲しかった。戦略的なことだったんだ。

-個人的にはTrack.5「Car Radio」の物悲しくもドラマティックな展開を持つこの曲が非常に気に入っています。アルバムを代表してこの曲ができた経緯と、歌詞についても詳しく解説をお願いできますでしょうか。

実は僕の1番好きな曲なんだ。音楽業界の人と話すと、不思議な曲なんだけど、皆気に入るみたいなんだ。人の反応を見ていると、僕たちは自信を持って、これは大切な曲なんだって言える。この曲を解説すると、大学時代、車でキャンパスに行っていたんだけど、授業に出てたある時、車の鍵を閉めるのを忘れてしまったんだ。戻ってくるとGPSとかラジオが盗まれていた。いつも車のラジオで音楽を聴いていたから、盗まれてから新しくラジオを購入するまで、運転中無音状態だったんだ。でもその時、いろんな考えごともできたし、いろんなアイデアが浮かんだし、集中することができたんだ。この曲は自分の人生で、気が散らないで過ごしていることについて歌っているんだ。目的を見つけて、何をしているかという大きな課題について考えている自分の心境を歌ってるんだ。

-他にも「Trees」、「Ode To Sleep」、「Hold On To You」......など挙げていけば切りがない素晴らしいポップ・ソングがたくさん詰まったアルバムですね。昔はアルバム1枚通して素晴らしい曲たちで構成されていることが理想とされる時代でしたが、今では時代は変わり1曲良ければそれをつまみ食いのようにiTunesで買うようなスタイルが主流です。今作を聴いて感じたことは、アルバム全編通して素晴らしいという、いい意味で時代に逆行しているということです。この意見に対して思うことがありましたら教えてください。

そんな風に言ってくれて嬉しいよ。とても素敵な言葉をありがとう。

-TWENTY│ONE│PILOTS のサウンドを"Schizoid Pop"(総合失調症的傾向のポップ)と表現していましたが、その呼び方はファンの間で根付いてきましたか?

根付いてきていると思うよ。まだその意味がよく分かってない人もいるかもしれないからアルバムが出たらもっと"Schizoid Pop"って言われるようになると思うんだ。でも何となくみんな僕たちの音楽のことをそう言うようになっているみたい。ホントいいことだよね。

-リリース後の来年2月末にはすでに大阪、東京でのライヴが決まっていますね。大阪は初めてだと思いますが、3度目の来日についてコメントをお願いします。

嬉しくてたまらないけど、実はちょっと緊張しているんだ。僕たちがどんなに成功したり、どれだけ長くやっていても、ツアーの前とか演奏の前はいつも緊張するんだ。いつも新しい場所でプレイすると"観客はいるのかな?観に来てくれるのかな?"って不安に思ったりするんだ。おかしいよね(笑)。よくステージで演奏しようとするとオーディエンスが誰もいないという悪夢にうなされたりもするよ(笑)。だから大阪は初めての場所だから、ちょっと心配だよ。もちろん取り越し苦労で、最高のショウになると思うけど(笑)。Joshと僕はフツウの人間だから、緊張するし、成功させたいし、失敗したくないという気持ちがあるんだ。早く日本に行きたいのに、そうした考えもふっと浮かんだりするよ。もちろん僕たちを聴きに来てくれる人たちが集まってくれることほど最高なことはないよ。そうした人たちのために素晴らしいパフォーマンスをして、楽しんでもらいたいんだ。みんなとのコミュニケーションもすごく楽しみなんだ。