INTERVIEW
TWENTY ONE PILOTS
2012.08.17UPDATE
2012年08月号掲載
Member:Tyler Joseph (Vo / Piano) Josh Dun (Dr / Vo)
Interviewer:ムラオカ
-TWENTY ONE PILOTSの結成について教えてください。2人はどうやって知り合い、どうやってTWENTY ONE PILOTS結成に到ったのでしょうか?
Tyler Joseph(以下T):前からJoshとは顔見知りではあって、いつか一緒にやろうとか時間を取って話し合おうって言っていたんだ。そういった話って大抵の場合は実現せずに終わってしまうんだけど、Joshとはそういう機会を割りとすぐに持つことができて、話をしてお互いのことが分かってみたら、お互いやりたい音楽が似ているなって思ったんだ。最初は友達付き合いで始まったんだけど、曲はほとんど僕が書くんだけど、ライヴでやる時にはJoshが叩くドラムのエネルギーは僕が書く曲に欠かせないなって思ったんだ。こういう人が叩いてくれればステージでも僕の曲が機能するなって思ったから、早い段階で一緒にやりたいって思ったんだ。
-TWENTY ONE PILOTSというバンド名はどうやって付けられたのでしょうか?
T:学生時代に読んだArthur Millerの「All My Sons」という小説がきっかけになってるんだ。戦時中に飛行機のパーツを作っている人の物語なんだけど、そのパーツに不具合があることが分かって、それをそのまま出してしまうか、それとも不具合があるから直してから出すべきかと悩むんだ。すぐに出してしまえば当然儲かる訳だけど、取り返して直して出すことをしていたら損をしてしまうよね。結果的にこの人はお金に目が眩んで不具合のままパーツを出してしまって、そのパーツを使った飛行機が墜落して21人のパイロットが亡くなったんだ。そういったことを考えると、個人としてもバンドとしても、人間って常に決断に迫られることがあって、そんな時に目先の利益を優先した場合、すぐに自分に利益が返ってくるかもしれないけど、それは間違った決断かもしれないよね。正しい決断をした場合の方が、結果が出るまでに時間が掛かるかもしれないけど、その結果はより良いものになるんじゃないかなって思うんだ。そのためには自分がより苦労をしなきゃいけないし、実力も必要になるかもしれないよね。自分たちのバンドのキャリアにおいても長期的な視野を持ってやっていきたいなと思ってこのバンド名にしたんだ。
Josh Dun(以下J):最初はTylerと僕の友達関係から始まったバンドだけど、でもこうやってスタッフも増えていく中で、常に2人の間で"これで良いのかな"って考えて決断していく機会がどんどん増えていくことで、より実感を伴うバンド名になっていると感じてるよ。
-TWENTY│ONE│PILOTSの「│」は何を意味しているんですか?
T:基本的にはデザインの一環だけど、とにかく目立ちたかったんだ。ローカル・バンドとして普通に活動していてみんなが注目してくれない中で、ブランディングというか、印象的な絵柄にしたいということで間に「│」を入れたんだ。CDでもライヴでも一貫してこのデザインで出すことによって、覚えてもらえたらなと思ったんだよ。
T:「|」が2本だから2人組って意味もあるかな(笑)。
-オハイオ州コロンバスという土地柄があなた方の音楽性の形成に影響を与えていますか?
T:地理的にいうと、アメリカのど真ん中に近くて、そういった地域から出てきたというのは僕らとしてはとても大きくて、音楽業界というのは(地理的にいうと)アメリカの両端にあるんだけど、コロンバスはそのどちらとも遠いんだ。だからこそオハイオで注目を得ることが出来ればどこへ行っても通用するんじゃないかって僕は考えてたんだ。バンドを始めると、音楽業界のある地域へツアーをしに行くバンドが多いと思うんだけど、僕らは地元のファン・ベースを築くところから始めて、とにかく地元で注目されたかったんだ。アメリカ人の考えるオハイオは農場とか何もないエリアというイメージを持っていると思うんだけど、実際には結構栄えているし人口も多いんだ。他の州に行くと、オハイオ出身ならここへ来てカルチャー・ショックを受けただろって言われるんだけど、そんなに違う訳じゃないし、そんなにオハイオは遅れてはいないんだ。キャリアという上では業界から離れたところで自分たちらしさを忠実に守ってやってこれたのはすごく大きかったと思っているよ。
-その地元オハイオ州コロンバスのLC Pavilionで行われたショウでFueled By Ramenと契約したとのことですが、このショウはあなたがたにとって特別なショウになりましたね?
T:すごく嬉しかったし、僕らとしては地元のファンがいたからこその僕らだと思っているから、レーベルに僕らのファンの姿も見て欲しかったんだよね。だから向こうから来てもらって、ファンと一緒に僕らを見てもらえたというのは僕らにとっても嬉しいし、それだけじゃなくてその場にいてくれたファンも自分たちも何か出来るんじゃないかって思ってくれたんじゃないかなと思うよ。すごく大きな出来事だったんだ。
-デジタルEPで『Three Songs』を先日リリースしておりますが、メディアやファンの反応はいかがですか?
T:今のところ最初から付いてくれていたファンにもとても好評だよ。 これを聴いてその先どうなるかということがちょっと見えるかなという作品であると同時に、この後出てくるフル・アルバムには他にも色んなタイプの楽曲を収録するからこれだけではないよって感じかな。今の僕らに出来ることをいい形で表現している3曲であり、一方では僕らの先の読めなさというところは変わっていないから、これだけじゃないというのは分かって欲しいかな。まだリリースしたばかりだからライヴで披露する機会がないんだけど、ライヴで披露するというのは僕たちにとってすごく重要だから、この3曲をライヴでやってどんな感じになるのかというのは、僕たちも楽しみにしてるよ。