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INTERVIEW

ELLIOT MINOR

2010.05.07UPDATE

2010年05月号掲載

ELLIOT MINOR

Member:Alex Davies(Vo&Gt)

Interviewer:ムラオカ

-前作リリースから今作のリリースに至るまでの活動を教えてください。

1stアルバムをリリース後、イギリス、ヨーロッパ、そして日本をツアーで回ったよ。イギリスでシングルを2枚出して、うち1曲のプロモーション・ビデオ「Discover」なんだけど実は東京で撮影したんだ。渋谷や新宿の街を歩いたり、街中や地下鉄で道行く人に歌いかけたりしたよ。
それから2009年に入ってすぐセカンド・アルバム用の曲を書き始めたんだ。“2枚目は大変だよ(困難にぶつかるという意味で)”と複数の友人バンドから聞いていたから、曲作りからレコーディングまで十分に時間をかけたかったんだ。
ファースト・アルバムとセカンド・アルバムの間の何よりの思い出は、SIMPLE PLANとのヨーロッパ・ツアーと日本のアストロホールでのライヴだね。

-来日時に特に印象深かった思い出がありましたら教えてください。

アストロホールでのライヴはファンのみんなに会えて嬉しかったね。あとは「Discover」のプロモーション・ビデオの監督のFrankが、Edになりきって「Still Figuring Out」を渋谷のカラオケ・ボックスで歌ったこと!前の晩は、Frankがレストランの壁を突き破ったんだ。僕自身の思い出は、真夜中から明け方にかけての東京のストリート。ビデオにも散りばめているよ。

-ニュー・アルバム『Solaris』リリースおめでとうございます。 作品を作り上げて今の感想を教えてください。

レコード会社との交渉が長引き、6ヶ月もリリースが止まってしまったんだ。これは自分達にとってとてもフラストレーションだった。セカンド・アルバムを作る上で一番大変だったのは、ソフトになりすぎず、ヘヴィにもなり過ぎず、調和を取ることだったんだ。これが一つの課題だった。僕たちのライヴは挑発的にギターをかき鳴らすスタイルだからそこで考えたのは各パートのバランスを重視したんだ。ピアノと弦楽器に余裕を持たせ、でもギターを鳴らしドラム・サウンドを大きく増やすといった具合にね。自分達のサウンドから離れて、違うジャンルのカバーもやってみたかったな。

-『Solaris』というタイトルはアンドレイ・タルコフスキー(Andrei Arsenyevich Tarkovsky)監督作品の惑星ソラリスから取ったものでしょうか?またこのタイトルにした理由を教えてください。

ハハハ!これはよく聞かれるんだけど、ランダムに選んだだけなんだ。僕らの音楽のぬくもりを表現できて、太陽をイメージさせるような言葉にしたいと考えていた時、ふと頭に浮かんだのが“Solaris”だった。本当に単純だよ。後に“Solaris”はキャラバンメイクという意味もあると分かったんだ。

-今作『Solaris』を作る上でのテーマがありましたら教えてください。

テーマは特になく、大半の曲は過去2年間を通した高まったり落ち込んだり、入り混じった感情を反映したものさ。

-アルバム冒頭の「The Danger」は非常にゆったりと物憂げな曲調から始まり、曲が進むにしたがって、段々と熱が帯びてくるというスタイルの曲ですが、アルバム1曲目に持ってくる曲としては異色な感じが面白いですね。この曲を1曲目にもってきた理由を教えてください。

当初は「The Danger」をイントロにしようと考えていたんだ。でも幽玄な印象のスタートにしたくて、1曲目に持ってきたんだ。デモ段階ではみんなメロディもコーラスも気に入ってくれたけど、コマーシャル的にするより、オープニングにふさわしいアレンジにしたんだ。ファースト・アルバムの『The White One is Evil』に通じるダイナミックさってとこかな。

-前作にも輪を掛けてドラマチィックなアレンジになっていますが、ストリングス・アレンジは前作ではAlex自身がかなりのこだわりを持って行っていましたが、今作でもAlex自身がアレンジを行ったのでしょうか?

そう、ピアノとドラムとギターをバックに生ヴァイオリンをヴォーカル・ブースで何度か重ねてミックスすることで、シンセ的な弦楽器も、大きなライヴ的な弦楽器群になることが判ったんだ。もちろんそれは本物のものとは違うけど ヴァイオリンの多重録音をたくさん使うことによってアコースティックなサウンドに限りなく近づいたんだ。

-前回のインタビューではあなたがたはエモにカテゴライズされてもかまわないとおっしゃっていましたが、近年エモ・シーンと呼ばれるバンドは停滞傾向にあります。そんな停滞傾向の中でもあなたがたはシーンの状況に惑わされず素晴らしい作品を作り上げてきましたが、シーンの現在の状況についてはいかが考えますか?

そう答えたのは、単に誰もがエモだと騒ぐから、あれこれ言うのを止めただけなんだ。確かにエモ・シーンは勢いを失いつつあるね。でも僕はいまだにエモの定義がわからない。パワフルでエモーショナルなロックを聴いて僕らは育った。例えばTAKING BACK SUNDAYやTHRICEなんかだよ。彼らは学校では“エモ”だと分類されていたね。今もロック・シーンにはクールなバンドがたくさん出てきているけど、数年前に行われたようなジャンル分けをしようとする人がいないのがありがたいな。