DISC REVIEW
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2023年、大原きらりのソロ・プロジェクトとして生まれ変わったmzsrz。約3年半ぶりとなるアルバムは、作品全体が1つの物語となるロック・オペラ形式で秋の夜長を彩る『nocturne』だ。自身初の作詞にも挑戦し、ライヴ定番曲「夜迷言」から、青春ロック「タイムマシン」、メロコア「Universe #2」、デジ・ロック「偽証のガベル」と、ボカロP tepeやsfpr等が手掛けた楽曲群で曲調様々にストーリーを紡ぐ。ラストを飾るのは、「ストレイシープ後進曲」に続く交響曲のような大作「アウフヘーベン響詩曲」。9分にわたり投げ掛ける"生きるとは?"という根源的な問い。脆く、鋭く、張り裂けそうな青さを体言する歌声と言葉たちが、リアルな青春の光と闇を描き出す。 中尾 佳奈