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FEATURE

mzsrz

2022.01.20UPDATE

2022年01月号掲載

まだ何者でもない私やあなたへの激情の手紙を届ける、歌うだけのガールズ・バンド登場

ライター:吉羽 さおり

バンド・シーンの猛者を率いた、初のライヴ・ビデオを公開


2021年12月末、女性ヴォーカリスト5人組によるmzsrz(ミズシラズ)のバンド・セットでの初のライヴ・ビデオが、mzsrzのYouTube公式チャンネルで公開された。公開となったのは、4thシングル「インベーダー」とデビュー・シングル「夜明け」の2曲で、多角度のライヴ映像にリリックやエフェクティヴな加工が施されている。しかし、多くの女性アイドル・グループやヴォーカル・グループのように、ステージで華麗に踊るわけではない。むしろどこかぎこちなさを湛えたままで、不器用に、そしてただ全力で力を振り絞って想いを声に歌に乗せていく。特に2021年1月にリリースとなったデビュー・シングル「夜明け」は、実際に5人にインタビューをしたうえで制作された曲で、10代のリアルな想いや、想像を現実のものとしていくときの不安、迷い、それでもひとつの決心をして顔を上げていく過程が綴られる。臆病風に吹かれる前に、"泣いていいよ 違ってもいいよ"、"逃げよう さあ今日がやってきた"とパワフルに、エモーショナルに熱を込めて歌う5人をがっちりと支え後押しするのは、手練れのバンド・メンバーたちだ。

このmzsrzバンドのメンバーが実に豪華だ。ドラマーには、FACTで活動し、現在横山 健(Hi-STANDARD/Ken Yokoyama)のKen Bandの屋台骨を担う、Eiji Matsumoto。ギター&マニピュレーターには、エレクトロとラウドを掛け合わせたバンド・シーンの先駆者 sfprのギタリストで、Eiji Matsumotoとともに2DJ+ドラム編成のRadical Hardcore Cliqueでも活動するFZ。そして、海外を拠点に活動をしてきたMas Kimura(Gt/NOTHING TO DECLARE/JPME etc.)、アーティストでありながらレコーディング・エンジニアなども行うスーパー・ベーシスト 白神真志朗、シキドロップとして活動する平牧 仁(Key)という編成となっている。並み居るライヴ猛者と渡り合ってきた精鋭揃いのラインナップで、このメンバーでいちバンドとしてのライヴを観てみたいくらいラウド、オルタナ、EDM、シティ・ポップなどのシーンの最前線で鳴らしてきたアーティストばかりだ。
1曲目の「インベーダー」は疾走感のあるラウドロック。mzsrzの5人にとってはオーディション時の課題曲だったこともあって、歌い馴染んできた曲でもあるだろう。重くてイタイ自分がわかっちゃいるが、愛情過多ないびつな関係に陥っていることを赤裸々に描いた曲でスラップ・ベースに高速2ビート、ブレイクダウンなど聴きどころ、見せどころ満載な曲だけにライヴの期待値は高い曲だったと思うが、実際の飛ばしっぷりは想像をはるかに超えてアグレッシヴだ。シンバルの4カウントで爆走するバンド・アンサンブルと愛情過多な歌の世界が絡み合って、ぐいぐいとスピードを上げていくサウンドに5人それぞれのヴォーカルも熱を帯びていく。自然と5人の表情も変わっていって、徐々に前のめりになっていくのがわかる。バンドを背負っているという心地よい音の圧や、頼もしさも感じているのだろう。リズムをとりながら控えめに歌っていたところから、バンド・サウンドのパワーに躍動して、身振りや手振りでアクセルを踏んでいくヴォーカルがいい。
続く「夜明け」は、もともと、ピアノの旋律が流麗で繊細な曲だが、ライヴではより重厚なアンサンブルとなっているのは、このバンドならでは。馬力あるドラミングとうねるベースがグルーヴを生み、ギターとピアノがこの重厚な背景を時に激しく彩りながら5人のヴォーカルや、切迫した声を大きく響かせる。音源ではどちらかと言えば内省的でひとりぼっち感が強い音空間で、濃密にリスナーとコンタクトする曲だが、ライヴ・バージョンは一気に多くの人と手を繋いでいく大きなエネルギーを放っている。音源とライヴ、それぞれの楽しみや醍醐味を味わえるものになっている。

現在のところライヴ・ビデオとして公開されたのは「インベーダー」と「夜明け」の2曲だが、mzsrzとしては他にも多彩な曲を配信リリースしており、MVやリリック・ビデオでサイバーパンクなイラストレーターを中心にタッグを組んでいる。こうしたポップでキャッチーなMVが窓口となっているのはもちろんだが、これからライヴという場が増えていったときに、生身の5人でどう勝負ができるか。どこまで内側にあるものを曝け出してパフォーマンスができるか。ライヴ・ビデオはその第一歩になる、mzsrzのリアルな熱を感じてもらえる内容になっていると思う。リスナーの興味をライヴハウスに向けてくれる映像であり、ここから旋風を巻き起こしていくmzsrzの叫び声が詰まっている。また、このバンド・メンバーとライヴを重ねていくことで、グループとして強力になっていくのではという期待感も上がっていく。
だいぶ後回しになってしまったが、ここで改めてmzsrzの5人を紹介しよう。メンバーは5人中4人が10代。大原きらり(18歳)、作山由衣(15歳)、実果(17歳)、ゆゆん(18歳)、よせい(20歳)から成る。楽曲プロデュースを手掛けるのは、中川翔子や柴咲コウ、MEGといったアーティストのプロデュースをし、ボカロPとして100万再生回数超えのVOCALOID作品を発表し続けているDECO*27。ロック、パンクをベースに、ポップやエレクトロなどを毒っ気たっぷりに盛り込んで、キャッチー且つ遊び心溢れるひとひねりを施し聴かせるアーティスト/プロデューサーだ。このmzsrzでは、先述したデビュー・シングル「夜明け」で、メンバー5人の等身大の思いを聞き取って曲へと封じ込めて、10代の何者でもなかった少女たちがmzsrzという未知の存在になっていく、その始まりの物語を描いた。またDECO*27作品の強力なパートナーである元SILHOUETTE FROM THE SKYLITのRockwellが「夜明け」、「インベーダー」をはじめ、3rdシングル「アンバランス」、5thシングル「エコー」の編曲を担当し、2ndシングル「ノイズキャンセリング」ではTeddyLoidがアレンジャーとして参加している。2022年早々には6thシングル「フィルター」のリリースを控えており、こちらは編曲にポリスピカデリーが参加。エアリーなネオ・シティ・ポップで、透明度の高い5人のヴォーカルが冴え、また大人っぽい雰囲気も纏っている。ラウドなロックからEDM、ジェントルでポエトリーなサウンドなど様々なタッチの曲が揃うが、共通してあるのはmzsrzの5人の個性を引き出し、生かしながら、どういったことができるか。反逆的に、10代や若者の声をただ代弁する存在としてでなく、もっと細やかに、ひとりひとりを掘り下げていくことで多くの人々や社会の通底音に触れていく。闇の深さや恐ろしさ、苦いほどの痛みや、美しいものに触れた喜びや儚さを知る切なさ、その日そのときにしか感じられない、いわく言いがたい瞬間を、大事に大事に形にしていく。そんな作業を重ねているのを感じる。
2021年1月のデビューからシングル曲を通して、mzsrzの5人は様々な表現にチャレンジしており、作品を重ねるごとに変化が感じられるのも面白い。歌のうまさとは違うところでの曲の捉え方、歌を自分のものとして昇華していく、その自分の言葉となった自信がより大きく聞こえてきている。デビューから約1年という時間をかけて、先のライヴ・ビデオへと繋がった現在。それを見る限り、踊ることもしないし笑顔を振りまくでもない、歌うだけの彼女たちには、ただのグループではなくバンドという言葉がよく似合う。まだまだここからのグループ mzsrzだが、その動向に注目していきたい。


▼リリース情報
mzsrz
代表曲「夜明け」配信中

配信はこちら

4thシングル
「インベーダー」
invader.jpg
NOW ON SALE!!
※配信リリース
配信はこちら

1stアルバム
『現在地未明』
2022.03.16 ON SALE!!

【CD+Blu-ray(ライヴ映像 ver.)】
AVCD-96906/B
amazon TOWER RECORDS HMV

【CD+Blu-ray(リリックビデオ ver.)】
AVCD-96907/B
amazon TOWER RECORDS HMV

【CD ONLY】
AVCD-96908
amazon TOWER RECORDS HMV

[CD]
・夜明け(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Rockwell)
・ノイズキャンセリング(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Teddyloid)
・アンバランス(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Rockwell)
・インベーダー(作詞/作曲 DECO*27 編曲 Rockwell)
・エコー(作詞 DECO*27 作曲/編曲 Rockwell)
・フィルター(作詞 DECO*27 作曲/編曲 ポリスピカデリー)
ほか全10曲収録予定

[Blu-ray] ※CD+Blu-ray(ライヴ映像ver.)のみ
バンドとして自身の進む先を提示した初のライヴ映像を収録
・夜明け
・インベーダー ほか(約45分収録)

[Blu-ray] ※CD+Blu-ray(リリックビデオ ver.)のみ
・夜明け(illustration : ajimita/movie : よたばいと)
・インベーダー(animation & movie : KICO/motion graphic : Rayleigh)
・エコー(movie & illustration : まご山つく蔵)
・ノイズキャンセリング
・アンバランス
・フィルター
ほか、全7曲収録予定


配信リリース
「フィルター」
2022.01.19 ON SALE!!
※テレビ東京系ドラマParavi"部長と社畜の恋はもどかしい"エンディング主題歌歌
歌詞公開中

配信リリース
「エコー」
mzsrz_echo_jk.jpg
NOW ON SALE!!
※テレビ東京ドラマ【水25ドラ】"JKからやり直すシルバープラン"ED主題歌
配信はこちら

Zero PLANET(高橋祐理、森重秀太) × mzsrz(よせい)
配信リリース
「きっと、今を探してる」
kitto_imawo_sagashiteru_jkt.jpg
NOW ON SALE!!
配信はこちら

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