DISC REVIEW
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ミステリアスなヴィジュアルとキャッチーな楽曲で世界的な人気を博し、グラミー受賞歴も持つ、異色のバンド、GHOSTの約3年ぶり6作目のスタジオ・アルバム。近作では帝国の興亡、死と破滅といった壮大な題材を掲げていたが、本作でテーマに据えたのは"癒しのプロセス"。オカルト的なハード・ロック/メタルを下地に、アリーナ・ロックのスケール感やダンサブルなポップを絡めた変幻自在のサウンドは、さらに磨きが掛かっており、それぞれドラマ性豊かな楽曲でストーリーを積み重ねていくことで、リスナーは神秘と親近感が共存する音楽の巡礼へと引き込まれていく。愛や喪失といった人間の根源的な感情を、アンセムからバラードまで多彩な振り幅で描くロック・オペラは、まさに面目躍如だ。 菅谷 透