DISC REVIEW
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悲しみは繰り返され、闇も幾度となくこの世を覆い尽くそうとするからこそ、Sadieは過去の業たちと真摯に向き合うことで、ここに新たな可能性を湛えた音たちを提示したのかもしれない。2023年6月に約8年の時を経て再始動したSadieが、2024年2月にまずセルフカバー・アルバム『THE REVIVAL OF SADNESS』を発表したことは、未だ記憶に新しい。今作『THE REVIVAL OF DARKNESS』はそれに続く2ndセルフカバー・アルバムで、メタル色の濃厚な「棘-toge-」を筆頭に、現代的な方向からの貪欲なブラッシュアップが図られた各曲は、オリジナルの音源たちよりも鋭く研ぎ澄まされ、解像度が格段に高まった仕上がりとなっている印象だ。 杉江 由紀