DISC REVIEW
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精神障害のある患者のみならず、時には健常者にも認められるもので、その臨床的態様は予想以上に多様。医学的にはそれを幻覚と呼ぶそうだ。ヴォーカリスト、黒葉が"まるで幻覚のような現実逃避というのは自分自身にとっても必要なもの"と語る通り、黒曜日の音楽は、サウンド面はもちろん、歌詞の面でも受け手をある種の異世界へと飛ばしてくれるものが多い。2ndフル・アルバムとなる今作は、MV 10作品連続公開曲の全て＋3曲にて構成された新譜にしてベスト盤的仕様となるが、"退廃"と"誑惑"をテーマに織りなされる各曲たちはどれもいい意味で歪んでいる上、非現実的で幻想的。醜き現実から逃避したいときには絶好の1枚。 杉江 由紀
