DISC REVIEW
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デス/スラッシュ・メタルに武士や日本の文化をテーマにした日本語詞を掛け合わせたサウンドを奏でる"川越の残虐王"の、約5年ぶり6作目となるアルバム。バンドの信念をスラッシーに示すTrack.1を皮切りに、ライヴ映えしそうなアグレッシヴさのTrack.3、ロックンロール・テイストが異色なTrack.4、ニューメタルを彷彿させるTrack.6など、新機軸も取り入れつつ兀突骨らしいエクストリームな音楽性を突き詰めた作風は抜群の安定感で、コロナ禍の混沌を生々しく描写したTrack.9、キャッチーでドラマチックなTrack.10は圧巻だ。20年以上に及ぶ激闘の証と、飽くなき挑戦心を具現化した作品で、近年の対バンで彼らを目にしたという本誌読者にもぜひおすすめしたい。 菅谷 透