DISC REVIEW
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Z世代からすれば平成の時代でさえレトロだと感じるそうだが、いにしえのベイ・エリア・スラッシュと欧州系パワー・メタルの融合をうたうCHAOS CONTROLのサウンドは、たしかにある意味ではかなりオールドスクールなものだと言えるのだろう。ただ、そこは17年ものブランクを経てなおメタルの世界へと舞い戻ってきた奇才 Hiroyuki Kaneko(Gt)の生み出す音であるからして。単なる古典的メタルの焼き直し、懐古趣味で終わるわけはない。前作から引き続いての摩天楼オペラのドラマー 響に加え、新たに女性ベーシスト Rosana:miho、メイン・ヴォーカリストとしてSilexのYoungChoon Choを迎え入れることで、往年のメタル・サウンドをブラッシュアップさせた激音を完成させているのだ。これぞまさに温故知新。 杉江 由紀