DISC REVIEW
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夜と朝の間に生まれる、幾つものドラマ。夜と朝の間で明らかになる、幾つもの真実。夜と朝の間に消えていく、幾つもの感情たち。かれこれ20年選手のOLEDICKFOGGYは5弦バンジョーを操る四條未来や、アコーディオンを得意とする三隅朋子も含めた6人編成ロック・バンドとなるが、その音楽性はパンク、フォーク、カントリー、ジャズ、サイコビリーなど広範囲にわたる。今作では2022年末に加入した新ベーシスト 鹿児島大資の資するところも大きく、ドラマー 大川順堂と共に絶妙なヴァイブスを生み出しバンド・サウンドをボトムアップすることに成功。歌のみならずマンドリンも奏でる伊藤雄和、エレキはもちろんアコースティックの名手でもあるスージーの活躍ぶりも顕著だ。夜の汀に響くこの音に耳を傾けよう。 杉江 由紀