DISC REVIEW
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往年のプログレッシヴ・ロックからモダンなメタルまでを血肉化したサウンドで現行プログ・メタル・シーンを牽引するHAKENの、約3年ぶりとなるニュー・アルバム。タイトルは"動物相"を意味しており、曲ごとにモチーフとなる動物を割り当て、それを人間界になぞらえるというユニークなコンセプトが掲げられている。バンドの初期メンバーだったPeter Jones(Key)の復帰作でもあるが、楽曲に奥行きを与えるプレイが随所に光っているうえに、ヘヴィなリフからクリーン・トーンまで自在に変化するツイン・ギターとも絡み合って、強烈な相乗効果を生み出している。複雑だがキャッチーでメロディックなサウンドをより洗練させた本作は、日頃プログレに縁がないというリスナーにも聴いてもらいたいアルバムだ。 菅谷 透