DISC REVIEW
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拳を振り上げてエモーションのすべてを解き放ちたい、そんな思いをまとめて受け止めてくれるような音である。カナダが誇る叙情メタルコアの雄、COUNTERPARTSの最新作にして通算で7枚目となる本作は、自分たちが鳴らすべき音というものを知り尽くしているからこそ成し得る、ファンの期待に対して最高の形で応じた作品だと断言しよう。一切の無駄を省いた33分強、全11曲に込められた悲哀と激情、練り上げられたソングライティング、鉄壁のバンド・アンサンブル......その全部が叙情メタルコア~メロディック・ハードコアのなんたるかを明確なまでに我々に伝えてくれる。前作以上に磨きのかかったクリーン・パートのメロディも実に堂に入っており、号泣必至。泣きながら前を向く勇気をくれる会心の1枚だ。 井上 光一