DISC REVIEW
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現代のメタルに最も影響を与えたバンドのひとつと言っても過言ではないMESHUGGAHの、約6年ぶり最新作。代名詞の変則的な超重低音グルーヴはもちろん健在だが、リズム・パターンが複雑で長大化する傾向にあった近作に比べると、より洗練され明瞭さを持ったリフ・ワークに変化しており、5thアルバム『Catch Thirtythree』に通じるレイヤリングや、バンドに復帰したFredrik Thordendalの超常的ギター・ソロも相まって、一聴して頭を振れる即効性と、魔宮のような奥深さが高次元で両立している。グランジを思わせるクリーン・トーンから鬱屈したヘヴィネスへと流れるTrack.7や、ブラッケンドなトレモロを経て怒濤の攻撃性を見せるTrack.9~10など、楽曲のバリエーションも豊富だ。"不変"を意味するタイトルの本作だが、常にエクストリームであり続けるという姿勢こそが彼らにとっての不変性なのだろう。 菅谷 透