DISC REVIEW
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現代デスコア・シーンにおいて、ひと際注目を集めるロシアはエカテリンブルグ発の4人組による、最新作となる2ndアルバム。人間業とは思えぬ獰猛極まりないヴォーカルと卓越した技術を持つ演奏隊が放つ、デスコアの破壊力とブラック・メタルの邪悪さを極限の形で示したような前作『Misery Sermon』(2017年)と比べると、本作で顕著となっているのはKORNや初期のSLIPKNOTといった、いわゆるニューメタルからの影響であろう。変則的なフレーズからクラシカル(!)なソロまで引き出しの多さを見せるギターをはじめとして、圧巻のヘヴィ・グルーヴによる多彩なバンド・アンサンブルは、表面的な重さとは一線を画す。この変化をセルアウトなどと思うなかれ、バンドの新たな可能性を提示した痛快な1枚! 井上 光一