DISC REVIEW
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大槻ケンヂ(Vo)の小説や映画、プロレスなどなどメイン・カルチャーからサブカルチャーまで、広大且つ個人史的なバックボーンがふんだんに存在し、プログレ、ジャズ、ロックンロール、メタル、ハード・ロックからレゲエなど、広範囲におよぶ音楽的な知識と、でもその中から絶妙に"そことそこを接続する?"という、NARASAKI(Gt)、三柴 理(Pf)、ARIMATSU(Dr)というコンポーザーが一堂に会するこのバンドだからこその化学反応が曲ごとに噴出。しかも瓦解しないのがミュージシャン人生30年選手の凄みでもあり、特撮というバンドのフレキシビリティを証明。ポジティヴなR&RもアンニュイなAORも一幕のオペラを見るような大作も並列。この"脚色"に振り回されながらも聴き終える頃には力が湧いているはず。 石角 友香