DISC REVIEW
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フル作としては6年ぶりになる4thアルバムはメロデス・サウンドを継承しつつ、新たなチャレンジを試みた内容となった。今作は作曲手法をピアノとギターの2パターンに分けることで楽曲の差別化を図り、ヘヴィ且つアグレッシヴな音像をより追求した仕上がりになっている。もの悲しくも、希望の光が差し込むクサメロを前面に押し出しながら、メタリックなリフやブラストビートで畳み掛ける迫力は圧巻の一語に尽きる。また、クラシカルな旋律や映像喚起力に優れたストーリー性豊かな曲調も、このバンドならではの美点と言えるだろう。緻密に計算された楽曲の構築美もとことん楽しんでほしい。後半過ぎのピアノを用いたインスト曲「Piano of Maria」も美しく、現時点で持てる力をフル発揮した快作と言いたい。 荒金 良介