DISC REVIEW
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何はともあれ、先行シングルのTrack.3「Shovin' Rocks」を聴いていただきたい。この時代、これほどまでにストレートでファンな空気に満ちた裸のロックンロールを、なんの気負いもなく鳴らすことのできるバンドが、いったいどれだけいるだろう。スウェーデンが生んだ永遠の悪童、BACKYARD BABIESによる通算8枚目のニュー・アルバムには、初期のイメージが蘇ったかのような暴走サウンドから、キャリア30年という歴史を感じさせる渋めの成熟した楽曲に至るまで、ロックンロールの真髄が、純粋な魂が、すべての音に刻まれているのだ。枯れることのないギター・サウンドの中に、覚えやすいメロディがあり、キャッチーなフックがある。文句なしのロック・アルバムだ。 井上 光一