DISC REVIEW
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反骨精神の有無をロックに問うことなど、もはやナンセンスでしかないと感じる人も世の中には多いのかもしれない。だが、BRATSはそれでもあえてこの時代に堂々と吠えてみせるのだ。内なる自我を「解放セヨ」と。彼女たちが音楽を通じて世にぶつけてくるのは、焦燥であったり、怒りであったり、ヘイトであったりと、刺々しく泥臭い感情たちがほとんどだ。そんなリアルな思いの丈を、緊迫感の漂うロック・サウンドと融合させながら響くBRATSの楽曲は、いい意味でとても刺々しい。なお、ジャケットにメンバー写真を使用していないのは"外見で判断されたくないから"だと明言するのは元アイドルにしてフロントマンの黒宮れい。このくらい気骨のあるバンドがのさばっていくと、シーンはもっと面白くなるはず。 杉江 由紀