DISC REVIEW
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瀕死の淵から立ち上がった手負いの獣は、およそ3年半の間に充分な力を蓄え、そればかりか頼もしい新たな仲間までを得て、また戻るべき場所へと戻ってきたようだ。LAST MAY JAGUARにとって新体制での初フィジカル作品となるこのミニ・アルバムは、ラウドで猛々しい要素を多々孕みながらも、緻密に構築されたデジタル由来の音像をそこに重ねることによって、個々の楽曲に対して洗練された輝きを持たせることに成功していると言っていい。また、単にサウンド面での密度や完成度が上がっただけでなく、表題曲「Reloaded」をはじめとした歌詞の内容についても、率直でリアリティのある言葉が選抜され構成されている印象。見事な再生を果たした獣は今、美しく凛とした姿で高らかに咆哮し始めたのだ。 杉江 由紀