INTERVIEW
LAST MAY JAGUAR
2018.06.13UPDATE
2018年06月号掲載
Member:yurica(Vo) Yukihisa(Gt) BAN(Gt/Mani) Suguty(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
ただ爪を荒っぽく研ぐのではなく、その爪を丁寧且つ細かに磨き上げていくことで、LAST MAY JAGUARは以前にも増した鋭さと美しさを手に入れたと言えよう。昨夏に現体制となり、新たにツイン・ギターという強力なブースターをバンドに組み込んだLMJ。このたび3年半ぶりにフィジカル・リリースされる音源は、その名も"Reloaded"と題された。6曲入りのミニ・アルバムというサイズ感からすると、今作はそれぞれの楽曲が際立っているせいか、その内容はとても濃いものとして感じられる。今ここに満を持してLAST MAY JAGUARが放つ、輝かしき第2期の始まりを告げる狼煙。それを音として聴くがいい。
-フィジカル・リリースとしては、おおよそ3年半ぶりの音源となるミニ・アルバム『Reloaded』がいよいよ完成しました。今作は、新体制初アルバムでもありますね。。
yurica:この3年半の間は、コンスタントに新曲も作っていましたし、それをライヴで演奏したりもしていたんですけどね。ファンの方たちからも、"早く盤にしてよ!"という声はいただいていたんですが、どうしても自分たちの中で1枚目のフル・アルバム『Ready for ...』(2014年12月リリース)のクオリティをなかなか超えることができなかったところがあり、現体制になったからこそやっとかたちにできたのがこの1枚ということになります(笑)。
-ということは、この"Reloaded"という作品タイトルも、そのあたりの背景を含めて冠されたことになりそうですね。
yurica:前任のギターが制作の道に進みたいということで、LMJ(LAST MAY JAGUAR)を脱退というか卒業をしてから、YukihisaとBANのふたりが去年の8月に入ったんですけど、今回のミニ・アルバムはそこからレコーディングを始めたものですしね。第2期LMJのスタートがここから始まるという意味もあって、"Reloaded"というタイトルにしました。
-YukihisaさんとBANさんは、ともに加入してそろそろ1年なのですね。
Yukihisa:たしか、出会ったのは去年の5月ごろでした。
-オリジナル・メンバーであるyuricaさんとSugutyさんからすると、YukihisaさんとBANさんが入られてツイン・ギター体制となったことにより、LAST MAY JAGUARが得た強みとはどんなものであるとお考えですか。
Suguty:やっぱり、ツイン・ギターだけあってすごく厚みのあるサウンドを出せるようになったと思います。理想にまた一歩近づいた感じがしますし、BANはピアノも弾けて、マニピュレートまでできますから、いろいろ助かりますね。ある意味、もう前とは違うバンドになったくらいの変化を遂げられたんじゃないかと感じてます。
yurica:ライヴでのステージングも、だいぶ変わったんですよ。それこそ初期のLMJは、どちらかというと"うまさを見せつける!"みたいな部分が強かったんですけど、第2期に入ってからはYukihisaとBANがふたりともアグレッシヴに動き回るタイプのギタリストなので(笑)、積極的にお客さんたちを乗せていく雰囲気になったというか、ライヴでの空気感がガラリと変わりましたね。
-では、YukihisaさんとBANさんはそれぞれこの1年ほどLMJの一員として活動を続けてきたなかで、このバンドのどんなところに特に面白さを感じていらっしゃいますか。
Yukihisa:今でも、ライヴでは第1期LMJの作ったテクニックを前面に押し出すような曲もやっていますからね。僕としては、今回はそういう要素も残しながら、新しいLMJとしてのサウンドを作っていくことになりましたし、難しいことを詰め込んでいくのも結構好きなので、レコーディングもやってて面白かったです。ライヴでも、"こんだけ弾いてこんだけ動くって、そうないだろうなぁ"と思いながら、たまにニヤニヤしちゃってます(笑)。
BAN:実は、前任ギターのKensukeさんがB'z好きな方だったらしいんですけど、僕もB'zが好きなんですよ。そのせいか、第1期の曲のギターの手グセが自分の手グセと似ているので、ライヴで弾いててすごく楽しいですね(笑)。そして、第2期からの曲に関してはシンセをいろいろ入れていて、僕はそういうアプローチも大好きなので、そこもまたやっていて面白いです。まぁ、ライヴではギターを弾いてシンセを弾いてと非常に忙しくはあるんですが、その忙しさも楽しみながらやらせていただいてます!
-では、ここからはいよいよ『Reloaded』の具体的な内容についてうかがってまいりましょう。まず、計6曲の収録曲たちをエントリーしていく過程には、どのようなプロセスがあったのかが知りたいです。
yurica:最初の方でもお話をしたとおり、LMJとしての曲作りはこれまでも断続的に続けてきてはいましたが、今回の『Reloaded』に入れたのはこの約1年で作ったものばかりです。あえて、第2期LMJとして作ったものだけを入れました。6曲中3曲は私が作っていて、そのうちの2曲はYukihisaとBANが入る前に"第2期LMJはこんなふうにやっていきたい"というヴィジョンが固まったうえで作ったものです。あとの2曲は、Yukihisaが書いてきたものですね。そして、1曲だけカバーも入れてあります。
Suguty:曲についてメンバー間で細かくやりとりをしながら、この6曲に決まったときに"これはなるべくしてなった6曲だな"という感覚がすごくありましたね。
-この『Reloaded』の最後に収録されているHALESTORMのカバー「Love Bites (So Do I)」についても少し教えてください。こちらは、いかなる経緯で収録されることになったのですか?
yurica:純粋に私がHALESTORMを好きというのもありましたし、この曲がある意味第2期のサウンドの始まりとなったところがあったからです。
Suguty:サウンドの方向性として"次はもっとこんなことがやりたい"という自分たちの気持ちが、この「Love Bites (So Do I)」の中にかなり凝縮されていたんですよ。とは言っても、このカバーはHALESTORMのやっているオリジナルとはずいぶん違いますけどね。でも、この曲が第2期LMJにとって大きなきっかけになったのは間違いありません。
yurica:要は、このいかにもハード・ロックな音を第2期LMJとして目指したい音でやったら、どんな感じになるのかな? ということを、私とSugutyでまず実験してみた"お試しソング"だったんです(笑)。ひとつの指針をもらえた曲だったので、今回はボーナス・トラック的な感じでアルバムの最後に入れました。