DISC REVIEW
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多くのスクリーモ・バンドがメタルコア化するなか、本来のエモらしさを失わなかったオハイオの4人組は、そんな音楽性がもの足りないと言われたこともあったが、結成から17年、そのエモらしさは今や何にも代え難い大きな魅力になっている。それは数々のレーベルをわたり歩きながら活動を続けてきた彼らの勝利と言えるが、LESS THAN JAKEやFOUR YEAR STRONGを擁するカリフォルニアのレーベルから5年ぶりにリリースする6thアルバムでは、そんな魅力にアメリカン・ロックの王道と言える要素が加わっている。「In Gloom」のカラッとしたサウンドや「Crimson Sand」のブルース・ロック風のリフは円熟味なのか、それとも新たな挑戦なのか。ともあれ、彼らはここに来て、さらなる転機を迎えたようだ。 山口 智男