DISC REVIEW
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想像から創造されるものの素晴らしさは、写実主義や実存主義とは対局にあるロマンチシズムを孕んでいるところにあるはずだ。いわゆる同人音楽シーンにおいて名を馳せてきた物語音楽ユニット Roman so Wordsの今作は、既存曲と新曲を織り交ぜながらひとつのストーリーとして仕立て上げた記念すべき1stフル・アルバム。TERU(Versailles/Jupiter/Gt)やVAVA(キバオブアキバ/Dr)など、総勢10人の豪華ゲスト陣が参加していることもあり、「Ballad of Starlight ~星灯の叙情詩~」や「lo-ve-st」など、楽曲によっては激ロック読者垂涎なメタメタしいものもあるが、Roman so Wordsの真髄はむしろ「Romancing Waltz」で窺えるような繊細で甘美な調べにあるのかもしれない。浪漫主義万歳! 杉江 由紀