DISC REVIEW
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ミシガン州が生んだ叙情系ポスト・ハードコアの代表格による、通算6枚目となるフル・アルバム。度重なるメンバー・チェンジに見舞われながらも常に前進してきた彼らだが、本作はリリースまでに約4年という歳月をかけている。結果生まれたのは、テクニカルな演奏隊によるバンド・アンサンブルが放つ激烈なヘヴィネスが、凶暴なブルータリティが、浮遊する叙情的パートがドラマチックに融合し、見事な整合性を保った硬派なポスト・ハードコア・サウンドだ。抑えきれないエモーションを表現する獰猛極まりないグロウル、哀愁を帯びたクリーン・パートも圧倒的な説得力を誇っている。過去作品ではサウンドの方向性を模索していた時期もあったが、本作に迷いは一切感じられない。まさに貫録の1枚だ。 井上 光一