DISC REVIEW
-
幼いころからクラシックに親しみ、家にあった大量のジャズやロックのレコードを聴き、思春期にはメロコアにも触れ、多彩な音を蓄積してきたHideki(Dr)とTsubasa(Gt)の兄弟と、女性ヴォーカルNaNaによるMAHATMA。今作には聴いてきた音楽を網羅する大作が1、2曲目で組曲となって収録された。ドラマチックに展開し、各パートはテクニカルで、壮大な青写真を音として組み立てるというストイックさが窺える。それでいてエモーショナルな歌やメロディが貫かれていることで、歌モノとしても成立している。また語り調の「Departure(RerecordingVersion)」や、ハード・ロック的ギターとパワフルな歌が冴える「生きとし生けるもの(Special Duet Version)」などは、キャッチーで、引き出しの多さが光る。 吉羽 さおり