DISC REVIEW
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"激ロックGIG vol.4"で2015年に初来日を果たしたPALISADESの新アルバム。前作『Mind Games』からちょうど2年でのリリースとなった今作は、これまでのエレクトロ主体のラウドでノリノリなサウンドは鳴りをひそめ、全編通して超エモーショナルな1枚に仕上がっている。ピコピコしたサウンドを期待していたら肩透かしだが、このエモーション溢れるサウンドとヴォーカル・ワークは昨今のシーンの大作志向、壮大なサウンドを求める流れに沿った、意欲的な方向性の転換と言ってよいだろう。変にこだわりすぎることなく、スルスルと新たな表現を聴かせてくれる彼らの器用さには感心させられる。二番煎じっぽさもなく完成度は十分。BRING ME THE HORIZONの今の方向性に心酔している方にもおすすめできるレベルと言って差し支えない1枚。 米沢 彰