DISC REVIEW
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ロシアのバンド、というと少しお堅いイメージになりそうだが、そのサウンドは柔軟そのもの。やたらスケールのデカい世界観を作り出すシンセ・サウンドの中に、響き合うハーモニー、散りばめられたラップとシャウト。何が主役かわからないほど、いろんな要素が満載。これは、ポスト・ハードコアなのか、スクリーモなのか、ラップコアなのか、オルタナティヴ・ロックなのか。ヴォーカルの表現だけでも様々な顔があるのに、やたら臨場感のある、ダイナミックなドラムなど、思考を停止させるほど気になる技の数々。個人的には、イギリスのオルタナティヴ・ロック・デュオ、ANAVAEの女性ヴォーカルRebecca Need-Menearをゲストに迎えた「Princess」が、なかなかエモくて聴きやすいので、おすすめ。 山本 真由