DISC REVIEW
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オーストリアより新たなスタイルのミクスチャー・バンドが登場。多様な音楽性をジャンルレスに取り入れるバンドは珍しくはないが、彼らの3枚目のアルバムとなる本作を聴けば、そのあまりにも振り切った融合の仕方に驚くだろう。ニューメタルを基調としたダイナミックでキレのいいリフやギター・ソロのハモリに、センス抜群で緩急のあるラップが差し込まれ、サビではグッと王道感のあるメロディへと展開していく。モッシュ・パートの激しさなどから、ヨーロッパでは"悪い"ライヴ・アクトとして定評があるとのことだが、いやいやこのバンドの持ち味はそれだけではない。ダークさの中に存在する突出した流麗さは彼らの真骨頂。その"対比"を感じながら聴いてみて欲しい。 小林 詩央里