DISC REVIEW
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SKRILLEXなど多くのダンス系アーティストを抱えるBig Beat Recordsと契約したCASH CASHの、DJトリオ編成になって以来の初CD化アイテムは8曲入り1st EP。これがヒット曲ばかり、すなわちキラー・チューンばかりだ。EDMもブームになりすぎて狂乱的だと否定的な意見を持つ人も少なくない時代、彼らはそのブームの原点にもなる、美しく耳触りのいいメロディとシンガーの歌唱を活かしたビートとサウンドを展開をしている。元バンドマンという感性から生まれるポップ・パンクの要素も大いに影響しているのであろう。ゆえに少し切なさも香る、人間の心の琴線に触れる音になり、EDMだけではなく繊細なハウス・ミュージックの顔も併せ持つ。だからこそ彼らの音楽が本国アメリカの老若男女の生活に溶け込んでいるのだ。エレクトロやデジタル・サウンドの根本的な素晴らしさを再確認させる楽曲群に、心が洗われる。 沖 さやこ