DISC REVIEW
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誰もが知っているわけではないが、日本でも根強い人気を誇るカナダのクリスチャン・メタル・バンドが、ファンから投資を募って完成させた7作目のアルバム。モダンなメタルを軸にハード・ロッキンな痛快さをアピールしながら、スライド・ギターをブルージーに唸らせたり、アコースティック・ギターを爪弾きながらバラードを歌い上げたり、軽快なピアノをフィーチャーしてポップに迫ったりと曲調は幅広い。ラップ・メタルと紹介されることもあるが、男臭い嗄れ声の持ち主、Trevor McNevan(Vo/Gt)のそれは明らかにラップとは違う個性を感じさせる。出自のせいなのか、この明朗さはキリスト教云々を抜きにして、メタル・ファンに止まらない幅広いリスナーに歓迎されるだろう。根強い人気も頷ける。 山口 智男