DISC REVIEW
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エレクトロニックなラウドロックの中でも近年はレイヴやダンス・ミュージック要素を取り込んでド派手に打ち鳴らすバンドが多かったが、この4ピース・バンド、The Cackooは、THE MAD CAPSULE MARKETSやWRENCHといったバンドの遺伝子を受け継ぐような印象だ。ハードコア色の強い硬質のギターやビート、叩きつけるようなスクリームでブルータルな轟音サウンドを生み、一方で繊細でポップなメロディ・ラインやリリカルなギター・アンサンブルで、美しくスケール感のある世界観も描く。6曲さまざまな曲が並んでいるが、攻撃的な音がもたらすフィジカルへの作用も、アンセム感やドラマ性の高いサウンドや歌によるカタルシスも持ち合わせているゆえ、これからへの期待感も高い。やってくれそうなバンドだ。 吉羽 さおり