DISC REVIEW
-
米Victory Recordsの最重要バンドEMMUREが放つ6thアルバム。激情という表現が前々からピッタリとハマるバンドだったが、今作でもそのヘヴィネスとアグレッションは異常なまでに研ぎ澄まされつつ、聴く者の琴線を震わせる、熱くほとばしるエモーション全開の咆哮とも言うべきFrankie Palmeriのヴォーカルが全編に渡ってこだまし続ける、まさにEMMUREの真骨頂というべき作品となった。ライヴともなれば、ハーコー・モッシュの狂喜乱舞になるに違いないブレイクダウンがあちこちに仕掛けられており、聴いているだけでその盛り上がりが容易に想像できてしまうほど。"これ以上のものが想像できない"と言っても良いぐらい、EMMUREらしい、ブルータルという使い古された言葉だけでは伝わらないあの独特なゴリ押しとも呼べる凶悪さが詰まった1枚。結成から10年以上を経て、熟成を重ねてきたEMMUREのブルータル・サウンドは更なる中毒性を帯びてきている。 米沢 彰