DISC REVIEW
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デンマーク出身のデスラッシュ・バンドHATESPHERE、2年振りの8thアルバム。スラッシャー魂を熱くさせるザクザクと刻み込むギターは今作も健在。バンド・サウンドの核は、スラッシュ・サウンドであるが、ハードコアやメタルコアの要素も多く含まれており、リズム・チェンジやブレイクなどフックを効かせた楽曲に、歌声の抑揚や各楽器の細かなプレイの変化によって、BPMは変えずに聴き手に疾走感を与えることに成功しているのは興味深い。ヨーロピアン・スラッシュの影響を強く感じさせる作中にあっても、怒級の暗黒重低音を聴かせる「Fear Me」やアルペジオから展開するツイン・リードの旋律が美しい「In Process」など多彩な楽曲が収録されている。MUSEのカバー曲「Assassin」も完全に原曲を暴走させていて面白い。 藤崎 実