DISC REVIEW
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BOYS LIKE GIRLSらとともにエモメロの流れを代表する存在だったアリゾナの5人組、THE MAINE。アルバムのリリースを重ねながら、着実に“脱エモ”を進めてきた彼らはこの4作目で、ただ一言、ロックとだけ呼びたいサウンドに辿りついた。たとえば、最新のポップ・サウンドを取り入れたBOYS LIKE GIRLSとは逆にTHE MAINEは自らが奏でる音楽以外の一切を削ぎ落としたサウンドによって、彼らの曲が持つ普遍的な美しさを際立たせることに成功したのである(もちろん、どっちがいいと悪いとかの話ではない)。バンドの演奏を、そのまま封じ込めた生々しいサウンド・プロダクションも大正解。その意味では、Brendan Benson(THE RACONTEURS他)がプロデューサーとしてとてもいい仕事をしている。 山口 智男