DISC REVIEW
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2001年、『Revolution Revolución』のリリースでデビューを果たして以来、エスニックなサウンドとモダンでヘヴィなサウンドを融合させた独自の音楽性で多くのラウドロック・ファンを魅了し続けるILL NINOによる6枚目。1曲目からヘヴィなバック・サウンドとラテンノリのパーカッションが調和した独特なサウンドにCristian Machado (Vo)の哀愁溢れるクリーン・ヴォーカル、強烈なスクリーム、グロウルが絡み合い、これぞILL NINOと言わんばかりの期待通りのトラック。これだけサウンド・キャラクターが濃いにも関わらず、聴いていて飽きがこないのはCristianのクリーン・パートでのキャッチーさと、それ以外のパートのアグレッションが生み出すコントラストがなせる業だ。 “もう2012年。俺達はそれでも生きている。今がラテン・メタルを再定義する時だ”とCristianが言うとおり、聴きこむほどに、ILL NINOらしさが改めて整理され、さらに突き詰められた作品に仕上がっていることが伝わってくる。ほぼ2年スパンでリリースを重ねながら着実に進化を続けつつも、自らのオリジナリティをしっかりと貫き続けるILL NINO。これからも良作を制作し続けてくれそうだ。 米沢 彰