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FEATURE

FIVE FINGER DEATH PUNCH

2011.11.07UPDATE

2011年11月号掲載

過去2作ともにゴールド・ディスク獲得!FIVE FINGER DEATH PUNCHが大胆な野心を剥き出しに、3rdアルバム『American Capitalist』をリリース!

ライター:米沢 彰

これまでにリリースした2枚のアルバムはどちらもゴールド・ディスクを獲得。2ndアルバム『War Is the Answer』に至ってはアルバム自身がUSビルボード・チャート7位、シングル曲「Bad Company」は同2位を獲得するなど、わずか2枚で本国アメリカを中心に圧倒的な人気と知名度を獲得したFIVE FINGER DEATH PUNCH。アメリカン・ドリームという言葉通りに、凄まじい速さで成功への階段を駆け上ってきた彼らが放つ3rdアルバムは、彼らの勢いと主義主張をそのまま反映させた野心作だ。『American Capitalist』(アメリカの資本主義者)と名付け、更にジャケットやPVにこれでもかと“ランボルギーニ・ムルシエラゴ”(一台3千万円以上の超超高級スポーツ車の象徴)を登場させる彼らのセンスと自信には本当に恐れ入る。これが日本のアーティストだったら恐らく日本国内から恐ろしいまでに叩かれるだろう。ここまで露骨に成功をかざしてこの人たち大丈夫なのか?と、日本ならではの心配はさておき、肝心の音源の方はというと彼らがこれだけの自信を見せていることに誰もケチを付けられないであろう完成度となっている。これまで成功を収めてきた2枚のアルバムで作り上げてきたFFDPサウンドをしっかりと踏襲しながらも更に音楽性を拡げ、元来の攻撃性は増し、表現力もさらに豊かなものへと進化している。どの曲も今まで以上にソリッドでタイトに刻みながら、先行シングルとしてリリースされているTrack2「Under and Over It」を始め、幾つかのトラックで熱いシンガロング・パートを導入してみたり、Track10「If I Fall」ではアコースティック・ギターをイントロで導入し劇的な展開を作り出す一方で、Track8「Remembering Everything」ではバラード調のミッド・テンポで感情と表現力が豊かになったIvan Moody(Vo)のヴォーカル・ワークをフィーチャーするなど、これまでのFFDPサウンドをさらに突き詰め、新たな次元に達したFFDPサウンドが詰め込まれている。

バンドのメイン・ソングライターを務めるZoltan Bathory(Gt)は“ダーウィン主義と資本主義には類似点が多いんだ。最高のものを目指して、それを手に入れるかどうかは自分次第。―みんながみんな平等じゃ、進化なんて存在しない。人間の精神は、抜きん出ることを奨励してるんだよ” とアルバムについて語っており、彼ら自身が最も自らの音楽性を理解し、進化を求めたことを暗に表している。そして彼らは、自らが求めた通りに進化を遂げた。アルバム1枚を通して聴くと、もしかしたら彼らが思っていた以上に進化してしまっているかも知れない、という思いすらしてくる。その事実は彼らのサウンドに明確に現れている。Zoltanが、今回のメイン・テーマである資本主義をダーウィン主義と重ねて語ったことは進化するか、死ぬか、という彼らの決意にも近い信念をよく表している。ウケを狙ったようなチャラいサウンドに飽き飽きした諸氏にはこの生きるか死ぬかを賭けたような切迫した、生々しく荒々しいFFDPサウンドに共鳴する者も多いだろう。少なくともFFDPはそうした心境でこのアルバムに臨んでいる。後は受取るリスナーにその器があるか否かだろう。

私が1stアルバム『The Way Of The Fist』で初めてFFDPを聴いた時から、そして今作ではより強く、胸の奥から突き上げてくるような不思議な感情を感じている。上手く言葉にはできないが、解放されるような、エネルギーをもらうような、何とも言えない高揚感を伴った感情。今回のリリースに関するZoltanの次の言葉がその感情が何だったのかを良く表している気がする。“これは生き延びるやつらの音楽だ。人は色んなバンドを聴くことで特定のモードに入っていくものだ。俺は、こいつを聴いた人にはライオンの気分になってもらいたい。いいぞ、殺っちまえ、ってな”

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