LIVE REPORT
AIRFLIP
2019.07.15 @渋谷TSUTAYA O-Crest
Writer 山口 哲生
今年3月にリリースしたミニ・アルバム『Friends In My Journey』を手に、全国ツアーを行ったAIRFLIP。6月に本編を終えた後、7月から東名阪にてファイナル・シリーズを開催したのだが、その初日となった7月15日、渋谷TSUTAYA O-Crest公演にて、彼らは今年10月にメジャー1stフル・アルバムをリリースすることを発表。ここからも駆け抜けていくことを力強く宣言した。
"ジャンルとかは関係なく、自分たちの大好きなバンド"ということで招かれたPOETASTERとCloque.の熱演を受け、Satoshi(Vo/Gt)、Gucci(Gt/Cho)、Fujimon(Ba/Cho)、Ritsuya(Dr/Cho)がステージに登場。最新ミニ・アルバムのオープニング・ナンバーでもある「Because Of You」で、ライヴをスタートさせた。曲を始めるやいなや、Satoshi、Gucci、Fujimonの3人が前に飛び出し、フロアの熱を一気に高めると、"楽しんで帰ってくれよ、渋谷!"とSatoshiが叫び、そのまま「Gunless Cowboy」へ。ギターをかき鳴らしながらフロアに向かってまっすぐに歌を放つSatoshiも、熱量たっぷりのコーラスでオーディエンスを引っ張っていくFujimonも、時に頭を激しく振りながら、パワフルなギターで熱狂を高めていくGucciも、そして、そんな個性の強い3人を後ろで支えながらダイナミックなドラミングを繰り出すRitsuyaも、とにかく全員が楽しみながらプレイしている姿が印象的だった。2ビートでぶち抜いていく「Way Home」や、"足がうずうずしてるやろ!?"とオーディエンスを激しくジャンプさせた「Butter Kids」など、ポップ・パンクが持つはちきれんばかりの爽快感や高揚感がフロアいっぱいに満たされていく。
アッパーな楽曲を次々に畳み掛けていったのだが、"ジャンルにこだわってやっているわけでもない"とMCで話す彼ら。4人としては、ポップ・パンクのサウンド感と言うよりは、ポップ・パンクの特徴のひとつでもある"メロディアスであること"を大切にしているのだろう。どの曲も強烈なまでにメロディが耳に残り、昂ぶらせることもあって、「Voice」では"歌えるか、渋谷!"とSatoshiがアジテーションすれば、フロアからはたちまちシンガロングが巻き起こり、"めちゃくちゃいいやんけ!"と讃えれば、そのボリュームもどんどん上がっていく。そんな熱いやりとりを何度も繰り広げながら、アグレッシヴなサウンドで攻め立てた「Lost Wave」から、満面の笑みでこの日イチのシンガロングを巻き起こした「Brand New Day」、アンコールでは「Rock You Down!!」、「The Initial Vision」と、終始フロアをぶち上げ続けていた。
そして前述の通り、彼らは10月9日にバンドとして初のフル・アルバム『NEO-N』をメジャー・リリースすることを、この日のライヴで発表。本作は、この日も特大のシンガロングを巻き起こした「Star Journey」に参加したWilliam Ryan Key(ex-YELLOWCARD)がプロデュースを手掛けており、かなり期待が高まるところだ。この日、アルバム収録曲である「Meaning」が初披露された。力強く疾走していくビートや、抜けるような青空が目に浮かぶサウンド、観客を巻き込むシンガロング・パートに、耳も感情も激しく揺さぶってくるメロディ。そして、そこに乗せられた言葉には、自問自答や葛藤はありながらも、走り続けていく意志が綴られていて、希望や光を感じさせる強烈なエネルギーが楽曲全体に漲っていた。それはつまり、彼らのいいところを凝縮したような曲と言えるかもしれない。「Meaning」は、現在ミュージック・ビデオが公開中。各主要配信サイトでも先行配信されているのでぜひとも聴いてほしい。
"これからもどんどん仲間を増やしていきたい"、"メジャーでリリースしてもやることは変わらない"、"みんなから反応が返ってくるのが楽しくて、まだまだ音楽をやめられそうにない"と、これからのことについてMCで話していたSatoshi。ここまで決して長くはない道のりを歩んできた彼らだが、ここからその旅路は今以上にきっと輝かしいものになるだろう。そう思わせるのに十分なほど、ポジティヴな空気に満ち溢れたライヴだった。
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