LIVE REPORT
LOUD PARK 09|STEEL PANTHER
2009.10.17 @幕張メッセ -ULTIMATE STAGE-
Writer 米沢 彰
もう、何もかもが僕の予想や想像のはるか斜め上を行っていた・・・。
ステージに登場してきた時点で既に想像をはるかに超えるコスチューム。ちょっと穴が開いてるとか、破いてるとかいう次元ではなく、『それどうやって着るんですか?』レベルの穴あき具合。Michael Starr(Vo.)なんて、チク★(自主規制)が見えちゃってるよ、おい!
さらに、ルックスだけじゃないぜ!とばかりに小ネタも挟みつつ、縦横無尽にステージ上で暴れまくる。Satchel(Gt.)は、わざわざステージの反対まで暴れに行って、帰りにLexxi Foxx(Ba.)の前のコーラスマイクにいたずらしたり、フロントの3人で全員で腰を振って合わせたり、まさに目が離せないステージを繰り広げる。曲の方はというと、本日の大トリ、JUDAS PRIESTばりのギターリフを仕込んだ「Eyes of a Panther」を一曲目に持ってくるあたり、自分たちの位置付けや見せ方が上手いな~!とホレボレしてしまった。その後も'80s HR/HMらしさ全開の「Asian Hooker」「Fat Girl」と続き、オーディエンスも異様な盛り上がりを見せる。その盛り上がりに乗じて更に小ネタを挟んでくるSTEEL PANTHER。何となく『スカしたカッコつけ』っぽい雰囲気だったLexxi Foxx(Ba.)は曲が終わると手鏡を出してきて、髪とメイクのお手入れ。この人たち、どこまで本気なんだ・・・。
ある意味でHR/HMではお決まりのバラード調の「Community Property」をちょうど今回のショーの真ん中に持ってくる曲順もエロい。(STEEL PANTHERに対する最上級の褒め言葉はきっとエロいだと思う。)'80s HR/HMのアルバムには必ず入っていたバラード。王道を踏襲した曲に、現代風のアレンジなど一切無しで挑む姿はむしろ2009年的には新しいのかもしれない。
ギターソロが明らかに複数の音が被ってきていたので、音源を使いながらのステージングだったハズなのだが、そんな雰囲気を微塵も感じさせずにまさに『好き放題』やってる様子は驚異的だ。『すべてが本物!』の触れ込みは伊達じゃない。中でもSatchel(Gt.)のギターソロタイムは圧巻。圧巻過ぎて全ての曲が分かったわけではなかったが、YouTubeなどでも有名になったクラシック曲、「熊蜂の飛行」から始まり、自分でドラムのバスドラを踏みながら、 DEEP PURPLE「Smoke on the Water」~JUDAS PRIEST~Yngwie Malmsteen~METALLICA~GUNS 'N ROSES~○○○とメドレーを弾きまくる!そら嫌でも盛り上がりますよ。
ラストとなった、新譜のタイトル曲『Death to All But Metal』の直前には、背中に"Death to~"と書いた刺繍を見せながら、タイトルをオーディエンスにコールさせるなど、しっかり新譜を宣伝。商魂もたくましいなんて(笑)腕があって、パフォーマンスも良くて、曲も良い。ルックスの好き嫌いがハッキリ分かれるという最大の壁を乗り越えれば、非の打ち所の無い圧巻の(唖然とする?)ライヴショーだった。次回来日もまた見たい。僕はもうすっかりステパンの虜ですわ。
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