LIVE REPORT
BLACKMARKET Japan Tour 2008
2007.12.07 @原宿 ASTRO HALL
Writer MAY-E
フルアルバムをリリース前に単独来日公演が決定した脅威の新人、ブラックマーケット。
名刺代わりともいうべきたった一枚のEPで既に各地で話題を振りまいていたバンドであったが、その実力は本物だと確信できるライブだった。
BLACKMARKET ライブレポート ダリル・ラモン(Vo)は「We love Japan!」なんて投げかけて観客を沸かすことはあったものの、それ以外はほとんどMCを挟まず、とにかくストイックに曲を演奏し続ける。
日本ではまだアンリリースである「リモート・コントロール」を1曲目に持ってきたのにまずは驚いたが、スピード感あるこの曲でアグレッシヴに幕を開けたのは正解だ。その後のリードソングである「シーラ」をはじめ、「ホワイトライ」「バッドコール」といったEPに収録されている人気曲は、アルバム収録曲であるトラック達の間にバランスよく配置され、アンコールを含む全13曲は観客を飽きさせないとても良い流れを汲んでいた。
BLACKMARKET ライブレポート 演奏には若干、不安定さが残る部分はあったものの、そのライブ感にもうまく乗る衝動的なギターと艶かしい歌声は、このバンドの最大の魅力だと再認識させられた。パープルやレッドという照明の演出も手伝って、楽曲が持つ色気はより鮮明に表現されていたし、例えばアメリカのクラブの片隅で繰り広げられているような危険性と生々しさが肌で感じられてとても良かった。
時折、「ドーモ!ドーモ!」なんて具合に日本語で挨拶するなど笑いを誘う姿も見られ、観客からは1曲ごとに拍手を送られるという終始、温かな空間ではあったが、演奏中のステージ上とフロアの空気に温度差があったのは正直、残念なところではある。みんなもっと、遠慮なくクレイジーになってもいいんじゃない!?
フルアルバムのリリースが待ち遠しい!きっと大きく変わるはずだ。ブラックマーケットというバンドと彼らの楽曲達は、日本のロックリスナーを虜にするに十分な魅力を兼ね備えているのだから。
(MAY-E)
- 1