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INTERVIEW

MAD JAMIE

2026.03.12UPDATE

2026年03月号掲載

MAD JAMIE

Member:感情線 あくび

Interviewer:山口 哲生

東京に負けそうになるときもあるけど すごく特別な場所だと思っているし、自分にとって東京は輝かしいもの

-この曲も歌詞はあくびさん単独で書かれていますけども、筆の進みはいかがでしたか? いつもとはまた違うタイプの曲調の歌詞を書くという。

かわいらしい歌詞ではあるけど、自分の中での思いみたいなものは変わっていなくて。"シンデレラ"の世界観と照らし合わせているけど、自分は魔法が掛けられたと感じるようなJamieとのライヴの空間が大好きだし、本当に魔法が解けてほしくないなって思う瞬間がたくさんあって。そういう思いみたいなものを乗せようっていう気持ちで書いたので、この曲がめちゃくちゃ変わってるっていう印象は、あくびの中にはないです。

-曲調こそポップさはあるけど、あくまでもご自身の根底にあるものを書いていると。あと、本作には「TOKYO DEMOCRACY」、「Hysteric Tokyo」、「東京」と、"東京"というワードをタイトルに掲げている楽曲が3曲収録されています。東京のことを歌おうというのも話し合いを進めていくなかで出てきたんですか?

「東京」に関しては、「Over the moon」の作詞をしたすぐ後に、"東京というテーマで作詞をしてみたら?"って言われて。あくびは地元が名古屋で、夢を追うために東京に来たんですけど、自分にとってすごく大好きな場所なんです。だから東京について何か思ったことがあったらメモに書き綴っていて。それで東京がテーマの曲をこのタイミングで作ろうということになったので、自分視点で曲を書けるのって嬉しいなと思いながら、そのメモから引っ張ってきました。

-じゃあ、まず「東京」を入れることが決まっていたと。

うん。「TOKYO DEMOCRACY」は、ポーランドに行ったときにこのタイトルが出てきたんですけど、せっかくなら3部作にしようっていうことになって、「Hysteric Tokyo」も生まれたっていう感じでしたね。

-なるほど。東京三部作。

MAD JAMIEは東京で活動してるし、東京で生まれたので。

-それこそ海外に行く機会も増えていますし、改めて日本や東京のことを考える瞬間も多そうですね。

そう思います。やっぱりすごく特別な場所だと思っているし、自分にとって東京は輝かしいものとしてあって。夢を追っている今、悔しかったり、挫けそうになったり、東京に負けそうになるときもあるけど、でも、煌めきはずっと消えていなくて。それに、この場所じゃなかったら大切な人たちにも出会えなかったと思っているから、そういう思いも込めて、東京で叫んでいるんだぞっていう証明をしていけたらなってすごく思ってます。

─収録順でお聞きしていこうと思うんですが、まず「TOKYO DEMOCRACY」は、今年開催したZepp Shinjuku (TOKYO)のタイトルにもなっていました。

これはyujiさんに作曲をお願いして、シングルとしても出させてもらったんですけど(2025年配信リリース)、デモを聴いたときにすごくテンションが上がって。攻撃的だし、ライヴの情景がすごく見えるし、すごくワクワクした。そのデモをヨーロッパ・ツアー("MAD JAMIE EUROPE TOUR 2025 - THE MAD PARADE-")中に聴いていたんですけど、そのタイミングではまだテーマが決まっていなかったから、どういう歌詞にしよう、どういう気持ちで歌おうか考えていたなかで、ポーランドで博物館に連れて行ってもらったんです。 そこでポーランドの民主化の歴史についていろいろ知ったんですけど、ものすごく衝撃を受けて。歴史といってもすごい昔じゃなく、本当に結構最近の話で、自分の居場所とかアイデンティティとかを守るために戦ってきた人たちの姿に感動して、その博物館を見た後、もう一度街に出たときに、あの戦いがあったから今があるんだなって。そこで平和に暮らしていて、現在は自分の居場所とか自分の存在をここで証明して生きている人たちがいる姿を見て、すごく素敵だな、だから美しい世界があるんだなってすごく思って。

-なるほど。

その日の夜に、これを自分の表現に活かせないかなって思っていたんですけど、プロデューサーもたぶん同じようなことを考えていて、"TOKYO DEMOCRACY"ってすごくいいんじゃないかっていう話をして。曲のタイトルとしてもいいし、まだ決まっていなかったZeppのタイトルにもこれを掲げて、MAD JAMIEとしての存在証明というか、何かと戦うというよりは、自分たちの大切なものを守るために戦い続けることを選ぶというか。すごく腐ったり濁ったりするようなことをしそうになることもたくさんあるけど、そこには負けない。ずっと熱狂し続けるんだっていう意思を込めて、ライヴ・タイトルと曲のテーマにしました。

-ポーランドでこのタイトルが決まったのもいいですね。向こうで東京のことを思っていたという。

ほんとだ! 初めて言われたけどたしかに。好きすぎますね、東京のこと(笑)。ずっと考えてるのかもしれない。

-「Hysteric Tokyo」に関してはいかがでしょうか。

この曲はだいぶ前からデモがありました。アルバム制作の後半で、曲も揃ってきてどうしようねみたいな話をしていたときに、改めてデモを聴いたら、今出したらいいかもって思って。そこからメロディを少し書き直してもらって、アルバム入りした曲ですね。

-収録することが決まってからこのタイトルに?

これはデモのときから"Hysteric Tokyo"でしたね。なんか昔から東京のことずっと好きだったんだろうな(笑)。いろんなピースがバチッとハマったんですよ。3部作っていうのも叶うし、この曲を今出したらめちゃくちゃいいなと思って。この曲はデモに仮歌詞を当ててもらっていたんですけど、そのときから1サビとかラスサビに入っている"宇宙だっていけんじゃん"っていう歌詞とメロのハマり方がすごく好きで。これをどうしても歌いたいっていうことを伝えて、それを活かす方向で改めて書いてもらいました。

-そして、「東京」はあくびさんが単独で作詞作曲をされていると。

歌詞はいろんな思いを綴ったメモがあったんですけど、まさか自分が作曲に挑戦するっていうのは、最初の段階では全く思っていなくて。アルバムを作ろうっていう段階で、"「東京」は作曲もしてみたら?"って。それで、この曲も本当にたくさんの方に協力してもらって(笑)。例えば、こういう感じがいいなっていうトップラインをヴォイス・メモに入れて、それの何個かを繋いで1曲にしてもらうっていう。だから、クレジットは単独ではあるんですけど、たくさんの人が辻褄を合わせてなんとかしてくれました(笑)。

-それで変拍子になっているんですか?

そう! 意図的にそうしたとか、そんな高度なものでなく。本当に頭に流れていたものを出して、横でプロデューサーが"Studio One"で打ってくれて。そしたら頭では3拍子じゃなかったのに、なんかこれ3拍子だぞ......って。それを4拍子に当ててみようとしたら、これはなんか違う気がする......みたいな。いろいろごちゃごちゃやっていたんですけど、これはこういうのがいいんだと思うっていうことで、簡易的にベースラインとリズムを付けてもらって、アレンジャーの杉原(亮)さんにお願いしたら、"これは変拍子だぞ"と(笑)。

-ですよね(笑)。

そしたら杉原さんもあくびの意図とか思いをすごく汲んでくれて。この曲は変拍子に聴かせたいわけじゃないので、難しい曲にするというよりはナチュラルに聴けるようにどうにかならないですかね、この空気を壊さずに......みたいなすっごい無茶なお願いをいろいろしたら(苦笑)、本当に素敵な一曲に仕上げてくださって! でも、最後までこれは本当に曲になってるのかなぁってすごく不安だった。世の中にある曲となんかちょっと違うんじゃないかってすごく不安で、いろんな人に"曲になってるかな......?"、"曲になってるよ"、"曲になってる......?"、"なってるよ"って聞いて回ってた(笑)。

-(笑)いろんな方が携わっているからその心配はないんだけど、たしかに自分がゼロから出したものが本当に大丈夫なのか? っていう感覚はありそうですね。

そう。初めての感覚で。めちゃくちゃ感動したのと同時に、果たして曲なんだろうか......っていうので、本当にギリギリまで不安だったのをすごく覚えてます。

-さすがにもう大丈夫だと思いますけど、念のためにお伝えすると、曲になってますよ。

ははははは(笑)。

-なんならいい曲です。

ありがとうございます! 良かった。

-歌詞は、先程お話しされていたような東京という街についての思いを書かれていますね。憧れもあるし、悔しさを覚えるときもあるし、でもMAD JAMIEが生まれて、いろんな人と出会った場所でもあるという。

サビの頭のところは、東京の空のことを歌いたいなと思って、最初に出てきてたところなんですけど。そこは結構すぐにハマって、すごくいいかもってなったんだけど、全然ハマらなくて苦戦するところもあって。あとは、少し言い回しが変わると、自分が言いたかったニュアンスとなんか変わっちゃうかもなと思いながら、どうにか合え! と思って(笑)。2サビの後半にある"間違ってない/ただそう言ってほしいんだ"のところは1サビと少しメロディが違うんですけど、これはどうしても言いたかったから、少しメロディを変えたりもして、なんとかハメていきました。

-そういった細かい調整をしつつ。

はい。それは自分で作曲をするっていう形を取っているからできた選択でもあるのかなって。譲らず、どっちも叶える方向でやりました。

-「TOKYO DEMOCRACY」では"壊さないで東京"、「Hysteric Tokyo」では"しないよ東京と心中は"、「東京」では"東京の空は今日も/君と僕のものだ"というラインがそれぞれありますが、どの曲も少しずつ視点が違うのもいいなと思いました。

東京は味方のときもあるし、敵のときもあるし、恋人のようなときもあるから。それをこの3曲で、別の視点で表現できているように伝わっているのはすごく嬉しい。いろんな面を歌いたいと思っていたので。

-今回もかなり強力な一枚になりましたけれども、今年の予定もいろいろと発表されていて。7月から10月にかけて5大都市ツアー"QUEEN of KAWAII PUNK"を開催することになっています。

この間のZepp Shinjuku (TOKYO)のときにも言ったんですけど、あくびはZeppワンマンをどうしてもソールド・アウトさせたいっていう思いで駆け抜けていたけど、できなかった現実があって。あの日がいい日だったってことは絶対に変わらないんですけど、でも悔しいという気持ちもあって、そこをあくびは絶対に見逃したくなかった。この悔しい気持ちに目を背けて、気にせず走っていくことは無理だったから、ここにちゃんと向き合いたいなってすごく思って。それで5大都市ワンマン・ツアーを決めました。

-ツアー・ファイナルは10月26日、渋谷CLUB QUATTROですね。

今回のツアーは、この道のりの先にある、Zeppをソールド・アウトするためのものにしたいっていう気持ちがすごく強くて。絶対にリベンジするために、この5大都市ツアーでソールド・アウト公演をJamieと一緒に一つ一つ作っていって、軌跡をちゃんと作っていきたい。そこを目指すからこそ見える景色とか、感じることとか、そうしないと辿り着けないものが絶対にあると思うから、その火を絶やさずに一歩一歩進んでいくようなツアーにしたいなって思います。

-Zepp Shinjuku (TOKYO)でのワンマンを拝見したんですが、もともとあくびさんはライヴで感情が迸る瞬間が多々あるじゃないですか。あの日は、"最高!"と、"悔しい!"と、"まだやってやる!"っていう気持ちがぐちゃぐちゃに入り混じっていて、かなり感情が振り切れていた瞬間が何度かあったなと。

ははははは(笑)。たしかに。

-5大都市ツアーのこともライヴ中に発表されていましたけど、今お話しされていた気持ちを持ってあの日はステージに立っていたんだなって、改めて思い出しました。

うん。あの日はそれが全部出てたと思います。でも、そのときに初めて、Jamieに力を貸してほしいっていうことを伝えたんですけど、それが自分の中ですごく怖かった。Jamieと一緒に作ってきたっていう自信はあるんだけど、"頼らせてほしい"みたいなことを言葉にするのがすごく怖くて。甘えたいわけじゃないんだけど、あくびの思いをちゃんと伝えることはいいのかなと思って、伝えてみた日だった。

-そうでしたね。

それを伝えたことによって、"頑張ろうね"って言ってくれるJamieもたくさんいて。あくびの思いを伝えて、それを受け取ってくれる人たちがたくさんいるんだなっていうことを改めてすごく感じることができて心強かったし、いつも支えられているなっていうのをより実感できる瞬間でした。でも、あくびが一番前で突っ走っていくことは変わらない。そこに強い思いはあるから、本当に一緒に作るツアーになったらいいなって思ってますね。

-自分が一番前で突っ走っていくという意志が強いからこそ、"頼らせてほしい"という一言を投げ掛けることに怖さがあったんでしょうか。何か関係性が少し崩れてしまう気がしたというか。

なんか......やっぱり強くなりたいし、強い自分でいたいっていう気持ちもあるから、弱い面を見せていいのかなっていう思いがあって。でも、それって弱い面ではないのかなって思えたから言えたというか。複雑だったんですけど、強くなるために言おうと決めたというか、そう思えたから言えました。

-強くなるために弱い部分を見せたという意味では、ある意味自分の中で弱さを認めたところもあると思うんですけど、そこに至るまでの怖さもありますよね。自分が弱いことを認めたくない気持ちもあるでしょうし。

それは本当にそうかも。弱い自分を認めるっていうのは、3rdアルバムを制作する過程でそういう瞬間があって。いろいろ挑戦して、自分と本当に向き合う時間がたくさんあって、その中から出た気持ちだから伝えられた言葉だったんだと思う。

-なるほど。弱さを認めてしまえば楽になるのは分かっているんだけど、認めたくない気持ちもありますもんね。

本当にそう。怖いんですよね。そういう自分の席はないって心の中で思っちゃうから。でも、弱い自分にも席を置いてあげようと思えて。自分は弱かったんだなって思えました。

-大切な時間でしたね。あと、少しお話を聞いたんですが、5大都市ツアーに向けて、『HYPER NATURAL』以外にもいろいろと仕込んでいるそうですけど。

うん。こっそりと(笑)。2ndアルバムが終わった後もそうだったように、3rdアルバムがリリースされた後、また次のアルバムに向けた話も脳裏にありつつ、いろいろと進んでる状態ではあります。

-いろいろと進行しているものもありつつ、現時点ではまずは渋谷CLUB QUATTROに向けて突っ走ろうと。

そうですね。あと、ヒット曲を出したい! その思いもすごく強くあって。MAD JAMIEが今もJamieから愛されているのはすごく分かっているし、そこに満足していないとかそういうことではなくて。今やっているものがかっこいいってあくびは信じてるから、Jamieと一緒に作っている空間は絶対にかっこいいと思っているから、それがもっと世界に届いたり、もっと大きくなったりしたら絶対にもっと楽しいし、今いる大切な人たちと永遠にいたいから、そのために大きくなりたい。だからヒット曲を出したい。より世界に届くような曲を作りたいなってすごく思っています。

-これからも楽しみにしています。でも、今回の制作は本当に大変でしたね。自分と深く向き合うことで心を追い込んで、身体もアブダクションされて。

ははははは(笑)。あんまりボロボロだった自覚はないんですけど、不安なこともいっぱいあったし、前を向くことが少し怖いなって思うときもあって。なんでなんだろうなぁ......ってすごい思いながら過ごしてたけど、それをぶち壊したいなっていう思いもあって。でも、それを壊すには認めなきゃいけないなって思ったし、それを経て少し強くなれたかなって思いはあるかな。Jamieの声に助けられたし、やめたいとかは本当に一瞬も思わなかったから、自分は歌うこととか、MAD JAMIEっていうものが本当に好きなんだなって改めてすごく思った。大好きだし、逃げたくない。つらかったときがあったから、自分の思いにも気付けたし、大切なものがより大切に感じたし。そんな葛藤も込められてるんじゃないかな、この一枚には。

RELEASE INFORMATION

MAD JAMIE
3rd ALBUM
『HYPER NATURAL』

[LED GROUND]
NOW ON SALE!!
LEDG-00002/¥3,000(税込)

TOUR INFORMATION
"QUEEN of KAWAII PUNK"

■ツアー・ファイナル
10月26日(月)渋谷CLUB QUATTRO