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INTERVIEW

MAD JAMIE

2026.03.12UPDATE

2026年03月号掲載

MAD JAMIE

Member:感情線 あくび

Interviewer:山口 哲生

MAD JAMIEが3rdアルバム『HYPER NATURAL』を完成させた。本作で感情線あくびは、収録曲全ての作詞と一部作曲にも携わり、より自身の心の内を曝け出したエモーショナルな楽曲が並べられている。また、"東京"というワードをタイトルに掲げた楽曲が3曲収録されているところも、本作の大きなポイントだ。前作から約2年2ヶ月の間に生まれた感情や、衝撃的な出来事から生まれた楽曲制作エピソード、そして変わることなく深まり続けている思いを刻み付けた一枚について語ってもらった。

-3rdアルバム『HYPER NATURAL』が完成しました。もともとは今年1月13日に開催したZepp Shinjuku (TOKYO)ワンマン([MAD JAMIE ONE-MAN LIVE "TOKYO DEMOCRACY"])でリリースされる予定でしたが、作品作りに妥協できずに一度延期をされていて。このたびついに陽の目を浴びるわけですけども、まずは完成させた率直な感想からお聞かせください。

本当に完成できて良かったというのが一番大きい気持ちとしてありますね。これで3枚目のアルバムなんですけれども、1枚目(2021年リリースの『FUCK FOREVER』)と2枚目(2023年リリースの『THIS is NONFICTION』)のときももちろん自分の心の内を込めて歌を歌ったり、アルバムに向き合ってはいたけど、これまでと比べて今回のアルバムは、曲を作る段階から関わらせていただくことが多くて。だから本当に完成するのかな? みたいな思いが、要所要所で制作中にあったんですけど(笑)。

-(笑)なるほど。

今までは本当にありがたいことに、ほぼできあがった状態で曲が届いて、そこに歌をどう乗せるか、自分をどう出していくかを考えてレコーディングしていたんですけど、今回はアルバム・コンセプトからプロデューサーとより密に話し合って、本当に何もないところからデモを作って、仮歌みたいなものもない状態からやっていたので、自分と戦う瞬間がすごく多かった。だから本当に完成して良かったなぁって(笑)。ついにJamie(※ファン・ネーム)に、全世界に届けることができるんだなっていう思いがすごく強くて、すごく嬉しいし、反応も楽しみだし、届いてくれ! っていう気持ちでいっぱいですね。

-おっしゃっていた通り、今作は全収録曲の作詞/作曲にあくびさんが何かしらの形で携わっていて。前作収録の「Over the moon」で初作詞をされて、ここから少しずつ増えていくのかなと思っていたら、いきなりすごい量になりましたね。

ははははは(笑)。そこはもう大胆に。本当にたくさんの方に協力してもらいながらやっていたので、1人でやったとはとても言えないんですけど、アーティストとして自分も進化できたらいいなというか、できたのかなっていう思いが少しあって。誰よりも成長してやるぞ! っていう気持ちで臨んでいたから、そういう部分でも成長できていたら嬉しいし、自分の心との距離がより近いものを届けられることをすごく嬉しく感じています。

-制作により深く関わることは、アルバムを作り始める最初の段階から決まっていたんですか?

最初の段階では決まってなかったかもしれない。2ndアルバムを出してちょっと落ち着いてから、次のアルバムの話をプロデューサーとやんわり始めていたんですけど、そのときはまだ全然そういう話はなくて。どういうアルバムにしていこうって話していくなかで......気付いたらこうなってた(笑)。だから"全部やろう!"って決めてから始まったわけじゃなくて。

-"あれ? やってる......"みたいな。

そうそう(笑)。そっちのほうが正しいかもしれない。去年の誕生日に、今年一年、27歳の年はめっちゃ挑戦するっていうのは決めていたけど、そのときもまだアルバムに深く関わることは決まっていなくて。身を任せていくうちにこういう形を取っていただけたっていうのが正しい気がする。

-なるほど。"HYPER NATURAL"というタイトルはどんなところから出てきたんですか?

タイトルは結構前に出てました。プロデューサーと話をしていくなかで、感情線あくびっていう名前なので、喜怒哀楽とかそういった感情がものすごく出ているアルバム、そういう曲をもっと出したいねっていう話をしていて。それが自分的にもすごいしっくりきたし、いろんな感情を狂ったように出すっていうのは、MAD JAMIEとしてもあくびとしてもやりたいことだし、すごい有象無象な世の中だからこそ、剥き出しにした作品を残したいなっていう思いもあったりして。そういうアルバムいいなっていう話をしていたときに、プロデューサーから"HYPER NATURAL"ってどうだろうっていう話があって。それが妙にしっくりきて、それかも! みたいな。それで最初は仮で"HYPER NATURAL"って付けていたんですけど、なんかその名前の通りになっていったというか(笑)、どんどんしっくり来て、そのまま決まったっていう感じでした。 それと、"HYPER"っていうところにものすごく惹かれたんですよね。なんか、狂った場所にしか答えとか魅力はなかったりするのかなと思っていて。あくびは狂気が見たいし、そこに魅力みたいなものがすごく詰まっているのかなって思うから、ハイパーなぐらいナチュラルってなんだろうっていうことをすごく考えながら作りました。だから、それが自然なのかは分からないけど、自分にとってはこれが自然だっていうものが表れていたらいいなってすごく思います。

-今回のタームは「THE MAD PARADE」から始まったわけですが、まさに今おっしゃっていた"狂気が見たい"という言葉が浮かぶ曲で。ただ、この時点ではアルバムの全体像みたいなものはまだそこまで、という感じだったんでしょうか。

やんわり見えてたのかな。「THE MAD PARADE」を作っていたときは、全体像が見えていたわけではないけど、自分たちが大切にしているものとか信念はずっと変わっていないし、これからも変わらないと思っていて。この曲にはそれが詰まってる。ずっと培って、積み重ねて、歩み続けてきたっていう曲にしたいし、このパレードはこれから先もずっと終わらないっていうことを宣言したくて、曲に閉じ込めました。

-プロデューサーの方と話を進めていくなかで、こういう曲を作ってみたいという話もあくびさんからいろいろ提案されたんですか?

あくびは"とにかく叫びたい"っていうのをすごく伝えていて。これまでも魂をぶつける曲はあったんだけど、もっと何も考えずに叫びたい。そういう曲が作りたいと伝えていたら、最終的に「FUCK」という曲ができました(笑)。

-潔すぎますね(笑)。

はははははは(笑)。ほんとに。なんていうか、叫びたい何かがあるわけじゃなく、とにかく叫びたいっていう強い衝動があって。あくびは何を叫びたいんだろうなってすごく考えたんですけど、そういうことじゃない。私は"FUCK"と叫びたいんだ! この世界にただ"FUCK"と叫びたい! Jamieと一緒に叫びたいんだ! っていうことに気が付いて。じゃあもう歌詞は"FUCK"だけでいいんじゃない? っていう大胆な答えが返ってきたから、それだ! って。この曲はチームで、プロデューサーと自分で話しながら作るっていうことをしなかったらできあがらなかったのかなって、自分では思ってます。誰かに頼んで作るというよりは、自分のことを理解してもらっている人と密に作ったからこそ、完成まで持っていけた曲なんじゃないかなって。

-たしかにそうですね。楽曲を書かれた方からしたら、自分が作って渡した曲の歌詞が"FUCK"のみだったら、あんまり気に入らなかったのかなって思われそうな(笑)。

ははははは(笑)。ほんとにそう思う。何も考えずに突っ走れたのは、今だからできたのかなってすごく思います、自分でも。怖いものがないから(笑)。

-そんな潔い曲もあれば、「Abduction」みたいなユニークな曲もあって。この曲はあくびさんが単独で歌詞を書かれていますけども。

"Abduction"っていうのは、宇宙人が地球に来て人間をさらっていくっていう"エイリアン・アブダクション"のことで。もともとはライヴ曲を作りたいっていうところから始まったんですけど、歌詞は自分の実話です。

-えっ? 

これは本当の話なので書いたほうがいいと思いますよ。

-マジすか。そういう話大好きですよ。

はははは(笑)。去年の9月中旬から10月中旬までの1ヶ月くらい、喉の手術でライヴ活動を休止していたんですけど。休止前最後のライヴの3日後くらいに手術をして、それは普通に成功というか、無事に終わって。"声は出さないでね"とは言われていたんですけど、特に痛みもないし、次の日も何もなかったから全然大丈夫だなって。そこから復活ライヴまで1ヶ月くらいあったから、映画館とか美術館に行ったり、今までやれなかったことをやったりして少しゆっくり過ごせるのかなって思いながら、なんの気なしに寝たんです。で、次の日起きようと思ったら、首に感じたことないぐらいのすごい痛みがあって、ベッドから全然起き上がれなくて。

-えぇ......。

その後、なんとか起き上がれたんですけど、頭もすごく痛いから、怖くなって病院に行って。でも、MRIを撮ってもレントゲンを撮っても何もおかしくなくて、原因が分からないまま家に帰されて、そこから約1ヶ月間何もできずに、痛みと戦いながらベッドの上で過ごしていたんですけど。そこから復活ライヴが近づくにつれてなんとか動ける状態になっていって、気が付いたら治ってたんですけど、何だったんだろうな、もやもやするなと思いながら過ごしていて。それでギター・レッスンのときに、先生のあべちさんにこういうことがあったんですよって言ったら、あべちさんもそういう話とか都市伝説とかが好きで、"それ、エイリアン・アブダクションされてるよ"って言われて。そうかもしれない......!って。

-その激痛っていうのは急に来たんですよね?

うん。本当に何も変なことしてないんですよ。ただ寝ただけなのに何これ......! っていう激痛があって。"エイリアン・アブアクションされてるんだよ。アブダクションされてるうちにいっぱい連れ回されて、首に何か入れられたから痛くなってるんだよ"って。

-インプラントされて。

そう! そうかもしれないって思ったし、そう言ってくれたから、この1ヶ月間何もできなくて"あぁ......"って思っちゃってたんですけど、この期間がなんかすごいロマンチックに感じて。"これは曲に昇華するしかない! 煮え切らないあの1ヶ月間を曲にするしかない!"と思って。"アブダクション"っていう言葉もすごく響きがいいし、ノりやすいし、言いたくなるしで、実話とロマンが掛け合わさった曲として「Abduction」を誕生させました。

-すごい経緯で生まれた曲ですね。

でも、未だに答えは分かってないです。はたして私がアブダクションされたのか、されていないのか。信じるか信じないかはあなた次第です(笑)!

-最後バシっと決まりましたけど(笑)、今はなんの痛みもなく全然大丈夫なんですか?

痛みはないです。本当に時々、得体の知れない痣が足にできるんですけど、それも全然痛くなくて。

-ぶつけたりとかしてるわけでもないんですよね?

記憶にはなくて。なんかポツっとできてるんですよ。それで、ライヴでバンド・スタイルのときにギターを弾いてくれているyuji(ex-SuG)さんもそういう話が好きなんですけど、なんか痣ができてたんですって言ったら、"それ、アブダク痕じゃない?"って(笑)。

-アブダグ痕(笑)! でも、めちゃくちゃ怖いですね。1ヶ月間、謎の激痛に襲われるっていう。

そうなんですよ。もう何もできなくて、本当に嘘じゃなくベッドの上でずっと過ごしてました。なんだったんだろうな......でも曲ができたから良かった。

-ただじゃ転ばんぞと。

うん。「Abduction」っていうお気に入りの曲ができたので。本当に良かった。

-タフすぎますって(苦笑)。

はははははは(笑)。 ──アルバムには「シンデレラナイト」のようなキュートさもある曲も収録されています。 プロデューサーとずっと話をしていくなかで、あくびのアイドル性とか特徴的な声を活かしたりとか、かわいらしい面にフォーカスした曲を作りたいねっていう提案があって。たしかに、自分は隙あらば攻撃力を高めることに力を注いでしまうんですけど。

-パラメーター全振りで。

そう(笑)。ポイントを貰ったら攻撃力に特化してずっと上げちゃうんですけど、たしかに"IDOL PUNK ROCK"っていうものを掲げているから、それを強みにできるプロジェクトというか、アーティストになれたらいいなと思ったし、少しかわいげがあるものも作りたいねっていうことになって生まれました。