MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ARKTA

2025.10.22UPDATE

ARKTA

Member:Tak(Vo) kenken(Vo/Producer)

Interviewer:菅谷 透

-続く「Seraphim」は、音楽性で言うと前作と一番近い、リンクしている楽曲のように感じられました。

kenken:前作のリード曲が「The Lily」っていう曲で、あれは"ガンダム"がモチーフだったんですよね。で、この曲は完全に僕の趣味で作ってしまった曲で――"ガンダム"も入ってるんですけど。

Tak:僕は"ガンダム"のつもりで書いてます。

kenken:僕たちの好きなものが他にもう1つ、アニメやゲームの会社でKeyっていうブランドがあって。

-もしかして"ヘブンバーンズレッド"(Key/Wright Flyer Studios制作のゲーム)が題材ですか?

kenken:そうです。完全に"ヘブバン(ヘブンバーンズレッド)"なんですよね。僕"ヘブバン"が好きすぎて、めちゃくちゃゲームをやってるんです。ライヴやイベントに行ったりもするし、刀とか持って写真を撮ってもらっちゃうくらい(笑)。

-(笑)まさに"セラフ"(劇中の武器)ですね。

kenken:あれも劇中でバンドが存在するし、Keyのプロデューサー(麻枝 准)さんは作曲もされていて、作曲家としてもすごく好きなんですよ。作品ももちろん好きだし、曲も好きだし、コンセプトも全部好き。TakもKeyが好きで。

Tak:僕も"CLANNAD"(Key制作のゲーム/アニメ)がバイブルなんで。

kenken:なので僕が"ヘブバン"の曲を作ったところで絶対嫌がらないっていう自信があったんです。

Tak:曲のタイトルを見て、"「Seraphim」とかまんまじゃん"と(笑)。全然いいんだけどね。

kenken:僕としては、劇中のバンド(She is Legend)がやりそうな曲を作りたかったんですよ。僕が影響をもうバリバリに受けてしまって、そのときに作った曲だったんです。なので内容も正直"ヘブバン"のストーリーや、ちょうどプレイしていた内容に被せてしまったところもあります。でも(麻枝 准は)"ヘブバン"だけじゃなくて、Key作品を通して死と生、命を描いてきた方ですし、それを置いといても僕たちも死生観を描いてきたので、共通するものはあるなと。だからこそ"ヘブバン"にもハマったし、曲にもハマったっていうか......ごめん、めっちゃ語っちゃうんだけど(笑)。

Tak:いいよいいよ(笑)。この曲だけ、送られてきたときに資料みたいに"こういうコンセプトだから"ってファイルが届いたんですよ。

kenken:プレゼンしたんですよ、もう資料をバーッて送って(笑)。

Tak:"おぉ、熱量が違うな......"と(笑)。

kenken:ARKTAのコンセプトも重ねたかったので、この曲は歌詞もほぼ僕が書きました。だから全部日本語で。

-言われてみれば、スクリーマーとクリーン・ヴォーカルっていう編成もShe is Legendと一緒ですよね。

kenken:もう本当に、She is Legendがドンピシャすぎて。

-以前に「Burn My Soul」をカバーされてましたよね。

Tak:やりました。僕はあれが2回目のカバーなんですよ。kenkenとやったのもありますし、妹も歌い手なので妹ともやったことがあって。"ヘブバン"はあれで知ったんだよね。

kenken:僕は最初からゲームのファンだったので、言ってしまえば"ファンアート"みたいなところがあります。前作は"ガンダム"をテーマにした曲が2曲ありましたけど、ゲームやアニメから受ける影響は僕たちにとってかなり大きくて。そういうサブカルチャー要素も、本当に好きなものを入れてます。この曲はポップ・パンクでもないしエレクトロでもない、日本語スクリーモ・バンドみたい感じで。僕もそれを聴いてきた世代ではあるので、僕の中にある作曲スタイルとして、1曲入れたかったのもありますね。

Tak:日本語でこんなに叫んだことがなかったし、日本語で歌詞を書いたこともなかったので、いい挑戦になりましたね。

kenken:日本語のスクリームを入れてみてもらったらすごいエモく感じたので、今後もやってほしいなと。

Tak:歌詞が大変でしたね。"これって歌詞なのかな?"とか。だいたいを書いて、一度全部投げ捨てて、"これ変だよな"っていうところも直して。いい勉強になりました。まぁ、この曲はもうkenkenの熱量ですね。皆さん聴いてください(笑)。

kenken:(笑)でも僕たちは身近な存在を失うことも、深くは語らないですけど経験して生きているんですよね。だからそこは、このバンドでは絶対なくしたくない感覚で、暗くならないように出していきたい部分ではあって、"それでも生きていこう"みたいなメッセージもこの曲にはあります。

-最後の「As Oneself」は、今作の表題曲でもありますね。

Tak:このEPが"As Oneself"って言いながら、一切ツアーでやらないっていう(笑)。

kenken:(笑)それは置いといて、これはTak作曲ですね。

Tak:前作の「The Song for You」に似た感じですけど、悲しいときもありますし、気分が落ちるときもあるので、"元気出して行こう、中指立てながら"って。そういう曲ですね(笑)。"とりあえず中指立てよう"って応援ソングです。

kenken:今言ってくれた「The Song for You」もTak発信の曲で、「As Oneself」もそうなんですけど、僕の中で共通してる感じとして、優しさがあるんですよね。"背中を押していこう"みたいなところがあって。サウンドとしても僕発信じゃない部分があるんで、彼の中にあるオーガニックな部分を。コンセプトはPTP(Pay money To my Pain)さんとか......。

Tak:The BONEZさんとか。

kenken:僕たちが10代、20代の頃に聴いてた先輩たちのオーガニックな強さ、生の強さみたいな部分ですね。僕たちはそれを目の前で見てきてるので。

Tak:「The Song for You」も「As Oneself」も、イメージとしては朝方や夕方の感じなんですよね。僕の個人的な意見ですけど、PTPさんとかThe BONEZさんは、そういう時間帯の景色のような音だった気がするんですよね。特に日曜の夕方って悲しいじゃないですか。"あぁ、次の日仕事だな"って。あれに似た感じで、どんなときでも悲しくなることはあるから、とりあえずこれを聴いて、中指立てて前に進もうぜって話なんです。僕はそういうふうに書いたつもりなんですけど、聴いてくれた人が自由に感じ取ってほしいですね。「The Song for You」と「As Oneself」に関しては、寄り添えたらいいなって感じの曲なので。僕がいるLAのバンドではなかなか書けないような曲だし、僕等が救うとかじゃなくて、"そこに座ってるの? じゃあ、俺も隣に座るよ"みたいな感覚です。応援ってのもおこがましいので、とりあえず横にいるよっていう。

kenken:この曲も「The Song for You」と同じように、あえてバンド・サウンド以外は一切使わないで作っていて。こういう曲は毎回1曲は欲しいかなって思ってます。

Tak:「The Song for You」のほうが、厳密に言えばもうちょっとパーソナルな内容です。"ちょっと待ってよ"って曲なので。「As Oneself」は"大丈夫だよ。ちょっと隣に座るね"って感じで、もうちょっとカジュアルですね。

kenken:この曲のタイトルが"As Oneself"になって、最初にお話しした通り、全体を通して"自分として生きていこう"っていうメッセージが5曲に通じてあったので、EP全体もこのタイトルになりました。ただ「As Oneself」が表題曲になったけどリード曲ってわけでもなくて、どの曲がリード・シングルってわけでもなくて。全体のコンセプトとして、最終的に"As Oneself"に行き着くっていう意味で、このEPタイトルになりました。

-この曲はシンガロングが印象的で、ライヴの画が浮かびますよね。

Tak:いつかライヴでやりたいですね。

kenken:シンガロングはあえて入れましたね。最後もシンガロングで終わるような感じで。今言ってくれたような夕焼けの景色の中で、野外でシンガロングできたら最高だよねっていうイメージを持って入れました。

-EPをリリースしてツアーを開催しているところですが、さらに今後の展望や目標等あれば教えていただけますか?

kenken:今回ライヴを意識してEPを作って、実際にライヴでやれて、リアルな反応も聞けたので。今回のツアーとかEPの反応を踏まえて、また新しい作品を作っていきたいと思ってます。僕の中で新しく取り入れた要素や、挑戦していきたい要素があるので、1st、2nd EPになかったものを次の作品で表現していきたいですね。毎回完全に新しいものを作っていくのは大変かもしれないですけど、僕の中ではなるべく被らない、"今ARKTAはこういうアプローチもできるんだ"ってものをどんどん作っていきたい。どんどん新しいものを取り入れて、今後も挑戦をしていきたいなっていうのが次の作品への展望です。

Tak:僕はどの作品もどのツアーも、ARKTAでやることは本当に変わらないというか。バンド・メンバー以前に僕等は友達なので、このバンドの条件は楽しむことが第一で、楽しめなきゃ意味がなくて、それはお客さんもそう。だから次回も僕はいっぱい楽しみます。全力で楽しむことが目標ですね。

kenken:楽しめなくなったら終わりだからね。昨日2人で話してたんですけど、ARKTAは僕たちの夢を叶えるものなんです。僕は日本人だから海外でやってみたかったし、Takは逆にアメリカで生まれた日系人だから、日本のライヴハウスでやりたいっていう夢を持っていて。それがお互いに少しずつ叶ってきたので、もっと次の大きな夢に向けてやっていきたいなと。ARKTAは僕たちの夢も叶えつつ、応援してくれる方たちに寄り添っていけるグループとしてやっていきたいので、次の作品も、応援してくれる方たちとか周りのスタッフさん、あと自分たちが楽しめて夢を叶えていける、そういうプロジェクトにしていきたいと思ってます。

Tak:みんなで次のステップに進んでいきたいんで。