INTERVIEW
My Little Devil
2025.09.03UPDATE
2025年09月号掲載
Member:BiBi(Vo) ゆい(Ba) =LEN(Dr)
Interviewer:山口 哲生
ライヴは基本的にお客さんとの戦い
-全力でパフォーマンスしていて激しさはあるんですけど、細かい動きがしなやかできれいですよね。ダンスとかやってました?
BiBi:それでいうと、ゆいちゃんは......何ダンスだっけ?
ゆい:ロック・ダンスを10年ぐらいやってました。
=LEN:長っ。そんなに。
BiBi:私はクラシック・バレエを10年くらいやってました。My Little Devilの良さがライヴ特化型と言われるところでいうと、空間を意識して使ってるんですよね。そこはずっと気を付けているし、自分たちが経験してきたものの中からの美しさというか。全身全霊でやるんだけど、それをエンターテイメントとして昇華していかなきゃいけないと思っているので、そこは自分たちなりに責任を持っているし、個人個人で言わずもがなしっかりと練習しているところから、今に繋がっているかなと思います。
-なるほど。ゆいさんはなぜまたロック・ダンスをやろうと思ったんですか?
ゆい:それはもうママが......って感じです。幼稚園ぐらいからやっていたので。
-BiBiさんも似たような感じですか?
BiBi:そうですね。もともと引っ込み思案だったので、マミーが"ちょっとみんなと一緒にダンスやってみない?"ってクラシック・バレエの見学に連れてってくれて、"やる!"となったみたいです。
-=LENさんはダンス経験は特に?
=LEN:もう全然。
-ちなみに、吹奏楽部に入った理由というと?
=LEN:楽そうだったから(苦笑)。
BiBi:そうなの(笑)!?
-でも、吹奏楽部って実はかなりしんどいですよね。
=LEN:そう! 入ってみたら仰天! 毎日2km走って、着いた人から順番に腕立て何十回、腹筋何十回。その後に腹式呼吸の練習して。打楽器なのに。で、風船を膨らませられたりして、打楽器なのに一番速いみたいな(笑)。めちゃくちゃ体育会系じゃん! って。返事も小さかったらやり直しさせられるし......しんどかったです。
-すみません、苦い思い出を......(苦笑)。
=LEN:いやいや(笑)。でも、先輩がいなくなって自分が一番上になってからは楽しかったです。
-良かったです(笑)。楽曲についてですが、現時点での最新MV「Answer」についてお聞きできればと思っていまして。これはバンドにとってどんな曲ですか?
BiBi:この曲は結成1周年の主催ライヴ("My Little Devil presents「Answer」")で新曲として披露した曲だったんですよね。歌詞にも"たかだか1年 されど1年"と入れているんですけど、自分たちがMy Little Devilとしてスタートしてからの1年間で感じたこととか、その1年間で自分たちが見つけ出した答えを1周年のときに見せようと思って、この曲を作りました。
-歌詞はBiBiさんが書かれているんですよね。自分たちが出した答えを書くにあたって、筆の進みはいかがでしたか?
BiBi:これはもうめちゃくちゃ難産でしたね......。たぶんMy Little Devilの中で一番難算だったんですよ。いやぁもう本当に難産でした!
-そんなに(苦笑)。
BiBi:やっぱりアーティストさんとか、歌詞を書く方とか、何かを作られる方みんなそうだと思うんですけど、その答えになるまでに自分の中に何百通りもあるんですよね。その中からどれを選んでも全然しっくりこなくて。あと、いつも歌詞を書くときに自分の中で大切にしてることがあって、たしかに私が歌詞を書かせてもらってはいるんですけれども、1曲の中に、メンバー一人一人の気持ちがクロスするものを必ず入れたいなと思っているんです。ゆいちゃんと=LENちゃんはこうやって考えているんじゃないかなって想像しながら、それをどこかに入れるようにすることと、私たち3人がクロスするところと、お客様と私たちがクロスするところと、その3本柱と言えばいいんですかね。それを入れるようにしてるんですけど、「Answer」のときはそれが全然上手くいかなくて。
-たしかにそれは迷いますね。しかも1年間で見つけた答えを書くとなると余計に。
BiBi:私たちの曲って基本的に速いので、ライヴでは歌詞をあまり聞き取れないんですよね。でも、もし仮に聞き取れたときに、"いいな"って心に響く歌詞であってほしいなと思って、諦めずに1ワードずつ探すようにしてるんです。なので、どの1行を取っても心に残るようなフレーズを作りたいなって思いながら書いてます。
-そうやって作った「Answer」をライヴで歌っていてどんなことを感じますか?
BiBi:ミュージック・ビデオを作る前と作った後で変わってきた感じがあって。コール&レスポンスとかシンガロングするところがあるんですけど、そこがより強固になったというか。この曲のメッセージってかなり強いんですけど、それがしっかりと伝わっているというか、みんなもそれに応えてくれているような感じがあって。ミュージック・ビデオを出して、いろんな方に観ていただくようになってから、絆みたいなものがこの曲でより強固になったなっていうのをライヴで感じました。
-ゆいさんはBiBiさんが書いた歌詞からどんなことを感じましたか?
ゆい:いい歌詞だなぁって。
BiBi:ありがとう!
ゆい:歌詞はどの曲も基本的に全部覚えるようにしているんですけど、「Answer」は強い歌詞なので、ライヴ中も強い気持ちになりますね。ライヴは基本的にお客さんとの戦いだと思っているんですけど、「Answer」は"オラァ!"って感じになる(笑)。"やったるぜ!"みたいな感じの気持ちが一番強いかもしれないです。
-=LENさんはいかがです?
=LEN:「Answer」はMV撮影の当日になって、ようやくいい歌詞だなと思いました(笑)。ラスサビ前のところとかめっちゃいいこと言ってるじゃん! って。RECしているときは気付かなかったのと、ライヴのときはあんまり歌詞を気にする余裕がなかったんです。曲としては結構上位に来るぐらい好きなんですけど。
BiBi:2人は感情を表に出すのがあんまり得意じゃないんですよね。でも、内に秘めているものがすごくあって。=LENちゃんは月っぽいというか。太陽があったら月があって、みんなのことを優しく照らしてるのが=LENちゃん。私がワァー! ってなってるところを=LENちゃんが包み込んでくれて、My Little Devilらしさができていると思います。あと、=LENちゃんはスポンジみたいに柔らかくてすぐに吸収するし、それが外にも溢れてくるから、そこはドラムっていう楽器とも合ってるかなって。
ゆいちゃんは、こんなかわいいのに情熱的で、内に秘めているものがすごく熱いんですよ。それがパフォーマンスに表れているし、いい意味ですごく負けず嫌いで。それがしっかりと輝いているのがゆいちゃんだと思うんですけど、その2人の言いたいことや表現したいこと、2人の気持ちも一緒に書くというのはすごく意識してますね。
-ゆいさんとしても、気持ちを汲んでくれているんだなって感じたりします?
ゆい:私の気持ちを書いてくれてると思ったことはないけど、めっちゃ分かるなぁって。
=LEN:届いてない?
ゆい:いや、そういうふうに思って書いてるの知らなかった。
BiBi:あれ(笑)?
ゆい:だから普通に共感してました。"分かる! うんうん"みたいな感じでした。
BiBi:歌詞ができたときにたまに言うんですよ。"これ、ゆいちゃんのこと思って書いたよ"とか、"=LENちゃんのこと思って書いたよ"とか。
=LEN:たしかに言われたことある。
ゆい:あー! 言ってた(笑)!
=LEN:でももう覚えてないもんね(笑)。
BiBi:うん、それでいいから(笑)。なんかうちらバランスがいいって言われるんですよ。