INTERVIEW
Quubi
2025.05.30UPDATE
2025年06月号掲載
Member:藤宮 紬 村上 華花 川原 みなみ
Interviewer:山口 哲生
-藤宮さんは村上さんの歌詞を読んでどんなことを感じました?
藤宮:溶け込んでくるような、スッと入ってくる柔らかい印象でした。その歌詞をまさか3日で書いたとは知らなかったです。タイで同じ部屋だったんですけど、私が"お風呂上がったー。うぃー"みたいになってるときに横で書いてて(笑)。
村上:はははは(笑)。あとちょっとで書けるからって。
藤宮:"ごめん、ドライヤーするね"ってのんきな自分の横で、こんな丁寧な歌詞を(笑)。
川原:ははははは(笑)。
藤宮:私も華花ちゃんの歌詞が好きで。最初は「Still Walking」(2022年リリースの1stアルバム『Gene』収録曲)のサビだよね?
村上:うん。
藤宮:もう慣れてはきたんですけど、最初に聴いたときや歌うときは泣きそうになることもあって。それは「scent」も同じだったし。この曲はまだお客さんの前で歌ってないけれど、たぶん......。
村上:泣いちゃう(笑)?
藤宮:(笑)やっぱり自分の気持ちと重ねやすいんだろうなって。それこそ一番身近なメンバーが書いているのもあるけど、お客さんも共感しやすい歌詞だなと思いました。
-ライヴでやるときにここのフレーズはヤバそうだな......と思うところというと?
藤宮:自分のところだったら、"あぁ、あの時言った words 心に残った/まだ嘘のままだなぁ"っていう2行。歌詞もそうだけれども、華花ちゃんがレコーディングのときにディレクションをしてくれて。"感情を入れてほしい"って言われたんですけど、入れたらたぶん泣いちゃうんですよ(笑)。歌詞も刺さるし、感情も入れていいなら、ここが一番ヤバいかなって思います。
-ディレクションもされていたんですね。
村上:初めてやらせてもらいました。私の頭の中で2人の声で再生して歌割を振ったので、それが形になっていく気持ち良さというか。本当に"おー! ええやんええやん!"しか言ってなかったです(笑)。その中で自分のイメージを伝えつつ、完成された音源を聴いたときは、やっぱりすごく嬉しかったですね。形になったっていう感覚がすごく良かったです。
-今後も歌詞は引き続き書き続けていきたいですか?
村上:もちろん! やらせてもらえるならやらせてほしいですね。
-こういう歌詞を書いてみたいというのはあったりします?
村上:自分で言うのもあれなんですけど、根がネガティヴなところがあって。Quubiって、一緒に未来に向かって行こうぜ! 的な曲が多くて、それももちろんいいんですけど、がっつりバラードで村上華花全開の歌詞を書いてみたいなというのはありますね(笑)。
-それこそQuubiの村上華花ではなく、村上華花として。
村上:そうですね。プロデューサーとはケンカになると思いますけど(笑)。
-"そういうイメージじゃないんで"って(笑)。
村上:はい。なので、なかなか書かせてもらえない(笑)。
-今後も楽しみにしてます。本作には今年2月に配信された「shed your skin.」も収録されています。
川原:『Meme』に収録されている曲ってライヴで一緒にジャンプするとか、遊べる曲が多い印象があって。その『Meme』の後に出したのが「shed your skin.」だったんですけど、結構ガラッと変わるというか、重めのサウンドでお客さんに聴いてもらう感じの曲が来たから、ええやん! ってなりましたね。例えば、対バンの短い時間でQuubiを知ってもらうのはすごく難しいことではあると思うんですけど、遊べる曲が多い中で、「shed your skin.」みたいな曲が入ることで、Quubiはこんなこともできるんだよって知ってもらえるというか。そんな曲なんじゃないかなって思っているし、そういう曲を『Meme』の後に出せたというのも、タイミング的にすごく良かったかなって思います。
-たしかにこういう曲があると締まりますよね。
村上:今まではイケイケドンドンみたいな、やったれやったれ! みたいな曲が多かったんですけど、大人のQuubiを見せられる曲になったんじゃないかなって。初めて聴いたときは大きいハコが似合う曲だなと思ったし、ホールとかでやりたいなって思いました。この曲、やっててすごく気持ちいいです。
-スケール感のあるサウンドにしろ、ロング・トーンのメロディにしろ、たしかに歌っていて気持ち良さそうです。
村上:聴かせてるぜ! みたいな感じがありますね。今までにない感覚があって結構好きです。
藤宮:曲調がとても好きで、私も大きい場所でやりたいし、そういうところが似合う曲だなって思ったんです。アニメが映画化したときの主題歌みたいな感じというか。
川原:分かる(笑)! テレビ版の主題歌じゃないんだよね。
村上:映画館のでっかいスクリーンが似合うっていう(笑)。
-めちゃくちゃいい喩えですね。
藤宮:ずっと思ってたんですよ(笑)。そういう印象だったので、ライヴでやっていくうちに、大人っぽいものが似合うようになりたいなって思いました。この曲はもうすでにいい曲ですけど、もっと自分たちの力で成長させて、映画の規模感を作り上げていきたいです。
-そして、今日のお話の中でも何度か登場しましたが、6月7日に"Quubi presents KiTSUNE Party 2025 at GORILLA HALL OSAKA"を開催されます。過去のライヴ音源をサブスクで配信されていたり、今はそこを目掛けているというお話もあったりした通り、Quubiの活動の中でも重要なイベントとして位置付けられていると思います。最後にそこに向けての意気込みをお1人ずついただければなと。
川原:今日のお話の中でも何回か出てきたんですけど、バンドとかアイドル、あとは元アイドルで今はソロ・シンガーの方もお呼びして、いろんなジャンルの人たちを集めて自分たちが主催をするというのは、今回が初めてではあるんですよね。それこそ自分たちの進みたい方向をどう見せていくのかを、ゲストのラインナップで体現できていると思っていますし、自分たちがかっこいいと思う音楽はジャンルとか関係なく届けていきたいって気持ちを、形にして届ける第1弾のイベントが今年の"KiTSUNE Party"だと思っているので、来てくれたお客さんにとっても1つの転機になるようなイベントにしたいですね。
Quubi以外をお目当てに来てくれた人に、Quubiってこんな音楽やるんだ、またライヴに行ってみたいなと思ってもらえることはもちろんだし、いろんな出会いのあるイベントにできたらなって思っています。気合入ってます!
藤宮:自分はお祭りが好きなんです。そんなポジティヴ人間ではないんですけど(笑)、お祭りごとが好きなのでラフに来てもらえたらなぁって。このバンドが、このアイドルが、このアーティストさんが出るから行ってみようかなっていう気軽な感じで来てもらって、それを続けていって、"Quubiの主催イベントが今年もあるよ"みたいな。1年に1回、この月にあるっていうことを当たり前のようにしていきたいなと思いますし、それを私たちも作り上げるけれど、お客さんも一緒に作り上げていってほしいなっていう気持ちがあります。
村上:初めにも話したんですけど、これを大阪でやっている意味を見せつけたいなと思っていて。私たちは大阪拠点でやってますけど、最初は大阪の会社だから大阪を拠点にしているだけで、大阪拠点でやりたくて始めたわけではないんです。でも、大阪を背負っていけるような存在になれるようにというのをこの日は見せつけたいし、ホストとしても、やっぱり大阪ってすごいんだぞ、ここに集まったらめっちゃ楽しいんだぞって見せつけられるライヴにしたいですね。あと、去年の"KiTSUNE Party"でまた来年もここで待ち合わせしようなって言ったんですけど、"KiTSUNE Party"という1年に1回のイベントが、お客さんの中でセーヴ・ポイントというか。この日があるから仕事頑張ろう、嫌なことがあってもこの日があるから頑張ろうって思えるイベントにもなってほしいし、このイベントが終わった後に、また明日からも頑張ろう、この思い出があるから強くなれるというものにしたくて。重たい言葉で言うと、死ぬ前に走馬灯で出てくるような1日にしたいというか。あの日、楽しかったなぁって。人間の記憶って、忘れたくて忘れるものじゃないと思うんです。やっぱり強いものが残っていくと思うので、そういう1日にできたらいいなと考えていますね。